不動産投資コラム

西武新宿線は狙い目?新井薬師前・沼袋駅地下化

2020/02/16
行政書士棚田 健大郎
西武新宿線は狙い目?新井薬師前・沼袋駅地下化

西武新宿線というと、「西武新宿駅」はJRなどが乗り入れる「新宿駅」から少し離れていることや、全国的な知名度は他路線と比べやや劣るなどといったイメージをもつ人もいるかもしれませんが、実は、他路線と比べて混雑率や遅延率が低く、家賃や不動産価格も比較的安価といったことから、「穴場」といわれることも多い路線です。

そんななか、現在西武鉄道では連続立体交差事業という大型プロジェクトが複数進行中で、すでに価格が高騰している都心部に代わる投資エリアとなる可能性も出てきています。

そこで今回は、現在進行中のプロジェクトの詳細と、西武新宿線沿線における不動産投資にもたらす影響などについて詳しく解説したいと思います。

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西武新宿線とは

西武新宿線は「西武新宿駅」から埼玉県川越市の「本川越駅」までを結ぶ、西武鉄道が運営する私鉄路線です。

始発となる西武新宿駅は、すぐ隣が歌舞伎町でJR新宿駅から北に徒歩5分くらいの場所にあり、JRや地下鉄との乗り入れはないものの、新宿に勤務先や学校がある人が最寄り駅として利用できる立地です。

また、駅ビルである西武新宿ペペの地下から新宿の地下街である「サブナード」に直結しており、そのまま地下道を通ってJR新宿駅や東京メトロ新宿三丁目駅、別の地下道経由で都営大江戸線新宿西口駅などまでアクセスできます。

西武新宿線中井~野方駅連続立体交差事業とは

現在西武鉄道が行っているプロジェクトのうち、最も大掛かりなのが「連続立体交差事業」です。

連続立体交差事業とは、線路の一定区間を高架化、もしくは地下化する事業のことで、区間内の踏切の撤去による交通緩和、新たなまちづくりなどを目的としています。

各駅停車区間である中井駅~野方駅間で進行中の連続立体交差事業は、線路の地下化で2014年1月からすでに工事が始まっています。

中井駅~野方駅間地下化
西武新宿線沿線のまちづくりについて

開かずの踏切問題が解消する

連続立体交差事業によって線路が地下に埋設されることで、現在地上にある7箇所の踏切がすべて撤去されます。

西武新宿線は西に向かって一直線に見えますが、実は最初の急行停車駅である鷺ノ宮駅までの区間については緩やかなカーブが連続して続いているため、電車の最高速度が制限されてしまい、朝のラッシュ時などは途中で電車が完全に停車することも珍しくありません。

中井駅~野方駅は鷺ノ宮駅までの間の各駅停車駅区間のため、朝と夕方のラッシュ時について沿線の踏切は一度降りるとなかなか開かない「開かずの踏切」となっていて、駅の北と南で分断されていたのです。

なかでも中井駅の次である新井薬師駅から沼袋駅の区間では、中野通りと交差する踏切がありラッシュ時はかなりの渋滞が発生しています。

そのため、連続立体交差事業によって踏切が撤去されれば、沿線の交通渋滞や人の流れは大幅に改善されると期待されているのです。

駅前広場の整備

連続立体交差事業では新井薬師駅、沼袋駅そのものが地下化されるため、これまで駅があった地上部分については駅前広場や関連街路といった基盤施設として整備されることとなります。

新井薬師駅、沼袋駅については駅から南北に商店街が形成されているので、駅前広場が整備されれば住環境がよくなり、より一層住みやすいまちづくりが促進されるはずです。

東村山駅付近の連続立体交差事業

東村山駅高架化
西武鉄道新宿線、国分寺線及び西武園線(東村山駅付近)連続立体交差事業等の概要

西武新宿線の連続立体交差事業でもうひとつの目玉が、東村山駅付近の高架化で、2015年1月に工事に着手しています。

工事が完了すれば、東村山駅周辺の5箇所の踏切が撤去され、周辺道路の交通渋滞が大幅に緩和される予定です。

府中街道の大渋滞が解消される

東村山駅は急行停車駅で駅前にはイトーヨーカドーなどがあり、家賃を安く抑えたい学生や、ファミリー層などに人気の駅なのですが、唯一ネックとなっていたのが交通渋滞です。

都心部に比べ家賃や駐車場代が安いこと、そしてイオンモール武蔵村山、イオンモール東久留米、ららぽーと立川立飛、イケア立川、ジョイフル本田などアクセスが良好な大型ショッピングセンターが多数あることから、都心部とは違い車を生活の交通手段にしている方が多くいます。

そんななか、もともと交通量が多い府中街道が西武新宿線の踏切によって分断されるという状況が続いており、その影響は周辺道路の混雑にまで発展していました。

開かずの踏切

特に問題となっている踏切周辺には東村山市役所があり、住民がよく通る場所であることからも早急な改善が望まれていたのです。

線路が高架化されれば、府中街道だけでなく新青梅街道など周辺道路の渋滞も緩和されるため、住民にとっての利便性は一気によくなるでしょう。

連続立体交差事業はまだまだ続く

西武新宿線では現在進行中の中井~野方駅間と東村山駅付近以外にも、野方~井荻駅間、井荻~東伏見駅間についても連続立体交差事業を検討しています。

該当区間にある急行停車駅の鷺ノ宮駅や上石神井駅も、駅前の踏切によって道路が南北に分断されているため、連続立体交差事業によって大幅に利便性や生活環境が改善することが期待できるでしょう。

西武新宿線の連続立体交差事業によって、住環境が大幅に改善されることがお分かりいただけたでしょうか。

次回 は、不動産投資としてみた場合に西武新宿線にどんな魅力があるのかについて具体的に解説していきたいと思います。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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