沖縄・俱知安・大阪の伸び鮮明に 基準地価また上昇
国土交通省はこのほど、令和元年基準地価調査の結果を発表しました。
27年ぶりにプラスに転じた昨年に続き、全用途平均が2年連続で上昇するなど、全体的な上昇基調が続いています。
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全国的な上昇基調が継続/圏域別地価動向
全国平均は2年連続上昇
全国の全用途平均は2年連続、商業地は3年連続で上昇し、上昇基調を強めました。
住宅地平均は-0.1%であるものの、下落幅の縮小傾向が続いています。
三大都市圏は上昇基調が継続
三大都市圏は各圏域のいずれも、全用途平均・住宅地・商業地それぞれが上昇基調を継続し、また上昇基調を強めています。
【東京圏】
住宅地【+1.1%】…6年連続の上昇、3年連続の上昇幅拡大
商業地【+4.9%】…7年連続の上昇、6年連続の上昇幅拡大
【大阪圏】
住宅地【+0.3%】…2年連続の上昇、昨年より上昇幅拡大
商業地【+6.8%】…7年連続の上昇、6年連続の上昇幅拡大
【名古屋圏】
住宅地【+1.0%】…7年連続の上昇、3年連続の上昇幅拡大
商業地【+3.8%】…7年連続の上昇、6年連続の上昇幅拡大
地方圏は地方四市とその他の地域で差
地方圏の全用途平均・住宅地は下落幅の縮小傾向が継続していますが、商業地は平成3年以来28年ぶりに上昇に転じました。
昨年三大都市圏を上回る上昇を見せた札幌・仙台・広島・福岡の地方四市では上昇基調をさらに強めており、それ以外の地方圏では下落幅の縮小傾向が継続中となっています。
【地方圏平均】
住宅地【-0.5%】…縮小傾向が継続も、下落幅は縮小傾向
商業地【+0.3%】…28年ぶりに上昇に
【地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)】
住宅地【+4.9%】…7年連続の上昇、6年連続の上昇幅拡大
商業地【+10.3%】…7年連続の上昇、6年連続の上昇幅拡大
【地方四市以外の地域】
住宅地【-0.7%】…下落幅の縮小傾向が継続
商業地【-0.2%】…下落幅は縮小傾向
都道府県別では住宅地・商業地ともに沖縄が最大の上昇
都道府県別地価変動率(住宅地)▼
都道府県別の変動率は、昨年と比べ石川県、京都府、広島県、熊本県、大分県の6県がプラスに転じ、住宅地の変動率が上昇したのは下記15都府県になりました(32道県は下落)。
都道府県別地価変動率(商業地)▼
商業地で上昇だったのは、下記19都道府県です(28県は下落)。住宅地・商業地ともに沖縄県が最大の上昇となっています。
なお、香川県、長崎県は下落から横ばいに転じました。
変動率トップは住宅地・商業地ともに「俱知安」
インバウンド需要の高い地点での変動率の大きさが目立っています。
住宅地の変動率ランキング
全国の住宅地で変動率が大きかった地点のランキングです。
上位3位までがいずれも北海道虻田郡倶知安町が独占、4位以下は6位の愛知県名古屋市中区を除く6地点が沖縄県になっています。
商業地の変動率ランキング
商業地においても最も高い変動率となったのは北海道虻田郡倶知安町の地点でした。
2位以下は沖縄県、大阪府、京都府、東京都の地点となっています。
3位の大阪市中央区宗右衛門町をはじめ、昨年は10位圏外であった大阪府の上昇が目立ちます。
基準地価格高順位表(全国)
全国の価格高額順位トップは全用途・商業地ともに東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」でした。
価格は4320万円/㎡で、変動率は昨年の+7.7%より上昇幅を抑えた、+3.1%となっています。
また、昨年は上位10位すべてが東京都の地点でしたが、今年は6位、7位に大阪府大阪市の地点がランクインしました。
【全用途】基準地価格高順位表▼
一方全国住宅地の価格は、東京都港区赤坂の「赤坂1-14-11」が453万円/㎡最高額となり、長年首位であった東京都千代田区六番町は396万円/㎡で2位となりました。
【住宅地】基準地価格高順位表▼
基準地価格高順位表/国土交通省
地方にどこまで影響が及ぶ?
国内半数以上は地価の下落が続いていますが、上昇基調の地方四市がけん引し、今回は28年ぶりに地方圏商業地がプラスに転じました。
潮目を迎えると言われている地価動向ですが、下落傾向はまだ見られていません。
来年の基準地価発表は2020年7月1日時点のものとなり、東京オリンピック・パラリンピックの直前となりますが、どのような動きを見せるでしょうか。
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