住宅ローン・アパートローンの融資実態に関する調査
国土交通省は3月20日に、「平成30年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」を発表しました。
この調査は民間金融機関の協力のもと、民間住宅ローンの供給状況の実態などについて把握を目的に、平成15年から行われています。
平成30年の傾向として、過去4年を通じて中古(既存)住宅向けが増加傾向にあり、金利タイプは引き続き変動金利型の割合が約5割と最も高くなっています。
国土交通省
【1分で分かる!新築一棟投資の魅力とは?】東京圏・駅徒歩10分圏内の物件紹介はこちら
個人向け住宅ローンの実績
※【各年集計】は平成26年度から平成29年度の各年度の実績の回答があった全ての機関につき集計したもの。
※【経年集計】は平成26年度から平成29年度までの全ての年度の実績の回答があった機関につき集計したもの。
平成29年度の新規貸出額は192,875億円で、平成28年度より3,787億円増加しています。
すべての年度において回答があった機関のみの集計である経年集計では、平成29年度の新規貸出額は対前年度4.7%の増加となりました。
業態別の住宅ローン新規貸出額
また、業態別の平成29年の新規貸出額は、「都銀・信託銀行他」(32.1%)、「地銀(31.6%)が上位を占め、その次は「モーゲージバンク等」(9.0%)と続いています。
住宅ローン新規貸出額の使途別割合(新築・中古・借換)
平成29年度の新規貸出額の内訳は、新築住宅向けが(69.0%)、既存(中古)住宅向けが(18.4%)、借換え向けが(12.6%)となっています。
新築住宅向けの割合が増加し、借換え向けの割合は減少しました。直近の過去4年間の中では、新築の割合が一番高い年度となりました。
住宅ローンの金利タイプ別の実績
平成29年度末時点では「変動金利型」(56.7%)の割合が最も高いですが、前年度末より 1.4ポイント減少しています。
一方、「固定金利期間選択型」(31.5%)の割合は増加に転じています。
長くつづいた低金利が上がることを懸念して、固定金利を選択する人がわずかですが増えてきたと思われます。
融資を行う際に考慮する項目
融資を行う際に考慮する項目としては、下記のような結果となっています。
「健康状態」(98.6%)、「借入時年齢」(98.3%)、「完済時年齢」(97.7%)、「担保評価」(97.2%)、「勤続年数」(95.7%)、「年収」(95.6%)、「連帯保証」(94.9%)については、9割以上の機関が融資を行う際の審査項目としています。
賃貸住宅の建設・購入に係る融資(アパートローン)の実績
※【各年集計】は平成26年度から平成29年度の各年度の実績の回答があった全ての機関につき集計したもの。
※【経年集計】は平成26年度から平成29年度までの全ての年度の実績の回答があった機関につき集計したもの。
平成29年度の賃貸住宅向け新規貸出額は38,282億円となっておりり、平成28年度より1,448億円増加しています。
すべての年度において回答があった機関のみの集計である経年集計では、平成29年度のアパートローン新規貸出額は対前年度比10.0%減となっています。
業態別のアパートローン新規貸出額
業態別の平成29年賃貸住宅向け(アパートローン)新規貸出額は、「地銀」が(41.6%)を占め、続いて「信金」(26.3%)、都銀・信託銀行他(11.6%)と地銀が全体の4割を占める結果となっています。「地銀」が突出する結果となり、住宅ローンの傾向とは差が出ています。
- 調査対象機関
- 調査項目(実績の対象年度は平成29年度)
- 調査期間
調査対象機関数:1,351 機関(国内銀行、信用金庫、信用組合、農協等)
回答機関数 :1,303 機関(うち住宅ローン取扱機関数:1,239機関)
回答率 : 96.4 %
(1)個人向け住宅ローンの実績
(2)住宅ローンの商品ラインアップ
(3)賃貸住宅の建設・購入に係る融資(アパートローン)の実績
平成30年10月~平成30年12月
関連記事
手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?