リニア始発・品川駅はどう変わる?交流拠点の将来像
国土交通省はリニア中央新幹線をはじめとする「国土構造の大きな変革」の効果を最大限に引き出すための取組について検討する「スーパー・メガリージョン構想検討会」を定期的に開催しています。
「スーパー・メガリージョン構想」とは、リニア中央新幹線が全線開業すると、東京・名古屋・大阪間が約1時間で結ばれ、それを一つの巨大都市圏とする構想です。
それを生活圏とする人口は約6500万人となり、世界最大級の巨大都市圏となります。
2月12日、第18回目の検討会が開かれました。今回は主に、東京都の取組として品川駅・田町駅周辺地域のまちづくりについてと、最終とりまとめの骨子案について議論されました。
こちらの記事では主に品川駅の将来像に注目します。
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品川駅周辺の将来像・位置づけ
品川駅周辺地域の将来像
2027年にリニア中央新幹線の品川ー名古屋間の開業が予定されている品川駅。
東京都は東の始発駅となる品川駅を、2040年代を目標時期として下記を将来像としています。
- 空港直結のリニア駅整備効果を、国内各地方、首都圏各都市、都内各地区へ波及させるため、交通結節機能を強化
- 結節拠点機能を強化しサポートするまちづくり
- 次世代モビリティなど、新たなまちづくりのショーケース
- 民間開発を誘導しながら官民連携で実現
品川駅の位置づけ
品川駅は山手線をはじめとするJR各線、リニア中央新幹線、東海道新幹線、羽田空港、成田空港、東京を経由し東北方面までと、日本各地や世界と人々をつなぐ、国際交流拠点の役割を担います。
リニア中央新幹線 品川駅
リニア中央新幹線の品川駅は、地下約40mの大深度地下駅となります。
JR品川駅との位置図はコチラ。
東側にリニア中央新幹線用のスペースが作られ、東西に自由通路が整備される予定となっています。
東京都の取組について~品川駅・田町駅周辺地域のまちづくり~
京急線品川駅が地平化され、既存の中央自由通路は2階以上のレベルで西口地下まで延伸。これにより、快適・安全な歩行者動線が創出されます。
また、駅周辺の回遊性向上と既存自由通路の混雑緩和のため、北側・南側の自由通路が新設される予定です。
駅だけでなく、駅周辺まちづくりとの連携によるネットワークを強化していく計画となっています。
国道15号・品川駅西口駅前広場の将来の姿
駅前は北口・西口・東口の3つの駅前広場がそれぞれ整備されます。
西口駅前広場は、国道15号線とともに道路上空を活用した未来型の駅前空間に関する整備方針がとりまとめられており、「次世代の交通ターミナル」などをコンセプトにしています。
品川地下鉄構想(白金高輪~品川)
さらに、品川駅から白金高輪をむすぶ地下鉄構想があります。
実現すれば、リニア中央新幹線の始発駅となる品川駅と、六本木等の都心部とをつなぐ地下鉄(東京メトロ南北線)の新線の整備により、都心へのアクセス利便性向上が期待されます。
この構想は、国の交通政策審議会答申において、国際競争力の強化に資する鉄道プロジェクトとして位置づけられているものです。
上図の「新駅」が、駅名が決まり話題を呼んだ「高輪ゲートウェイ」です。
山手線50年振り30番目の新駅となります。
新駅高輪ゲートウェイ予定地▼
東京都の取組について~品川駅・田町駅周辺地域のまちづくり~
国際交流拠点の形成に向けたスケジュール
品川駅周辺のまちづくりのスケジュールは下記の通りです。
- 2020年:新駅高輪ゲートウェイの暫定開業
- 2027年の品川―名古屋間リニア中央新幹線開業
- 2045年、前倒しされれば2037年:品川ー大阪間のリニア開業
また、それまでに品川周辺地域を国際交流拠点としての成長させる計画となっています。
SMRは将来の働き方やライフスタイルにどう影響?
検討会では、ほかにもSMRの最終とりまとめ(骨子案)について、「正のスパイラル創出による世界を先導するスーパー・メガリージョン」としているが、地方の人口や人材がSMRに吸いとられる懸念はどうするのかということなどが議論されました。
これに対しては、東京以外の地方については中部のモノづくり産業のような、東京にはない力や個性を求められているなどという意見が出ていました。
また、東京よりも出生率の高い地方は三世代同居が多く、子供をあずけて共働きであることが多いことも引き合いにだされ、将来の働き方についても話し合いが行われました。
リニアが開業した将来、打ち合わせ等で出社が必要な際は、リニアで移動し、普段はリモートワークが中心に。そんな働き方が増えていくようになるかもしれません。
地方が活性化すれば、三大都市圏以外の不動産投資市況にも影響を及ぼす可能性もあります。
しかし、まだしばらくは、東京の人口一極集中が続いていきそうです。
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