排水管清掃の実施に入居者が協力してくれない…どうしたらよい?
この度管理組合で全戸一斉の排水管清掃を実施することになりました。
費用は管理組合で負担します。
ただ、予算の関係で実施日が土日の2日間のみで、どちらかの日付で必ず賃借人(入居者)に立ち会ってもらう必要が出てきました。
ところが、賃借人がたまたま平日休みの仕事のためどうしても立ち会えないと言われており困っています。
賃借人に協力してもらうためには、どのような対策が必要でしょうか?
連帯保証人など代理の人に立ち会ってもらえないか聞いてみましょう。事前対策としては、賃貸借契約書に盛り込む方法がとても有効です。
マンションの排水管はつまりを防止するために、定期的に全戸の排水管清掃を実施する必要があります。
実需の人が多いファミリー向けマンションとは違い、投資用ワンルームの区分マンションの場合は日中在宅している人が少ないこともあり、排水管清掃を実施しても立ち会ってもらえず実施率が80%以下になってしまうケースも少なくありません。
今回の事例のように本人がどうしても立ち会えない場合は、連帯保証人など代わりの人に立ち会ってもらうよう再度お願いしてみましょう。
排水管清掃を実施しないと、夏場に配管内部が乾いたときに臭いにおいが上がってくる原因になるので自分自身のためにも受けてほしい、と理由についてもしっかり説明することが重要です。
賃貸借契約書に盛り込む
排水管清掃や消防点検など定期的に部屋に立ち入って行う清掃や点検の実施率を上げるためには、賃貸借契約書に以下のような文言を記載しておくことがとても有効です。
本物件の建物において、全戸一斉に配水管清掃・消防点検、その他建物の維持管理に必要な行為が実施される場合、乙はこれを拒否することができない。
万一、これを拒否した場合に生じた損害については、乙がその責任を負うものとする。
このように記載しておくことで、仕事を休むなどして立ち会ってもらいやすくなりますし、どうしても立ち会えない場合は後日実費で業者を手配して受けてもらうといった対処も可能になります。
排水管清掃が実施できないとほかの住戸にも迷惑をかけてしまう可能性がありますので、入居するにあたっては必ず立ち合いが必要になる旨の説明を徹底することをおすすめします。
2020/03/30
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは
回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー