コラム

木造?鉄骨?RC?構造別のメリット・デメリット

2018/09/04
木造?鉄骨?RC?構造別のメリット・デメリット

投資用物件を選ぶ際、建物の構造は入居付けにも直接関係する重要な指標となります。

そこで今回は、投資物件を購入する前に知っておくべき、構造ごとのメリット・デメリットについて、「構造面」「金銭面」の2つの角度から、全2回に分けて解説していきたいと思います。
これから投資物件の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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木造の特徴

木造建築の場合
木造の賃貸物件といえば、2階建ての木造アパートが思い浮かぶでしょう。
比較的身近なイメージがある木造ですが、投資用物件として見た場合はどのような特徴があるのでしょうか。

構造上のメリット

木造物件における構造上のメリットとしては、「広さ」「通気性」がポイントとなります。
詳しく見ていきましょう。

思ったよりも「広い」ことが多い

木造はその他の構造の賃貸物件に比べ、室内の床面積が広くなる傾向にあります。

例えば、同じ20㎥表示のワンルームでも、木造と鉄筋コンクリートで比べると、実際の室内を見学した際に、木造のほうが広く感じたりします。木造は鉄筋コンクリートマンションにありがちな「梁」がないため、部屋を広く使うことができるとともに、天井からの圧迫感も軽減され、広い空間が実現するのです。

通気性が高い

木造は通気性がよく、ほかの構造に比べて風通しがよくなる傾向にあります。
特にワンルーム物件の場合、気密性が高すぎると室内に湿気がたまりやすくなったり、冬などは結露の原因になることもよくあります。

木造であれば、通気性が高いため窓枠などに水滴が溜まったり、それによって結露してカビが生えるということはほとんどありません。

構造上のデメリット

広くて通気性がよい点が、木造のメリットです。
一方で、デメリットとしては、メリットと表裏一体の部分があげられます。

防音性能が低い

木造には梁がなくて通気性がよい反面、壁が薄く気密性が低いため、それによる「音漏れ」が最大のデメリットとなります。
鉄骨や鉄筋コンクリートに比べると、壁や床の振動が、そのまま隣接する部屋に伝わりやすいため、音漏れのリスクが高いのです。

木造物件を購入する場合は、騒音や振動によるクレームが入る可能性がありますので、できるだけ賃貸管理については不動産会社に委託しておくほうがよいでしょう。

また、できれば遮音ボードや等級の高いフローリングを使用するなどして、防音性能を高めることも対策となります。

鉄骨の特徴

鉄骨の場合
鉄骨造というと、木造と鉄筋コンクリートの中間というイメージがあるかもしれませんが、詳しい構造上の特徴については意外と知らない人もいるかと思います。

鉄骨とは簡単に言うと、木造物件の柱や梁を鉄で作った建物のことで、重量鉄骨(鋼材の厚みが6mm以上)と軽量鉄骨(鋼材の厚みが6mm未満)の2種類があります。

小規模な賃貸マンションや住宅などについては、軽量鉄骨が用いられることが多く、ビルや高層マンションなどについては重量鉄骨が用いられます。

ちなみに、最近ではコンクリートを軽量化した「気泡コンクリート(ALC)」という構造も新たに用いられ始めています。

コンクリートを練り混ぜる際に、発泡剤を入れることでコンクリートのなかに小さな気泡を発生させることで、強度はコンクリートには劣るものの、軽量化できることや断熱性能が高いことなどから最近注目され始めています。

では、賃貸物件として見た場合の、鉄骨のメリット、デメリットについてみていきましょう。

構造上のメリット

鉄骨のメリットは、簡単に言うと木造と鉄筋コンクリートの中間的なメリットを得られる点にあります。
詳しくみていきましょう。

害虫対策が不要

鉄骨の場合、鉄骨を組み合わせて建物を作るため、木材を材料としている木造とは違い、シロアリなどの害虫リスクがありません。よって、木造よりも少ないメンテナンス費用で、長い期間賃貸物件として利益を生み出してくれる可能性が高いのです。

建築工程が早い

賃貸物件に多い軽量鉄骨については、プレハブ工法といい、現場での組立作業によって建物ができあがるため、建築にかかる期間が非常に短くて済みます。軽量鉄骨であれば、木造と同じようにコストを削減することができるでしょう。

構造上のデメリット

鉄骨については、鉄骨ならではの特徴から次のようなデメリットがあります。

リフォームの選択肢が狭い

鉄骨については、現場での組立作業で行う「プレハブ工法」や、工場で製作したものを現場で組み上げる「ユニット工法」などが多いため、材料についてはほとんどが規格化されています。そのため、あとからリフォームをしようとしても、規格にあわない構造には変更ができないため、大掛かりなリフォームが難しい点がデメリットと言えるでしょう。

地震で揺れやすい

鉄骨は主要な柱などが鉄骨になっているため、木造に比べて揺れを吸収しにくいため、地震によって建物が揺れやすくなります。耐震性能自体に問題はありませんが、鉄は熱に弱いため、火災が発生すると鉄骨が曲がってしまう可能性もあります。

鉄筋コンクリートの特徴

鉄筋コンクリートには、通常の鉄筋コンクリートであるRCとSRCの2つの構造があります。
鉄骨の場合
SRCとは鉄骨鉄筋コンクリートのことで、通常の鉄筋コンクリートの中に鉄骨を組むことで、建物にしなやかさをもたらし、変形に強くなるというメリットがある一方で、工期が長くなるため、コストが高いというデメリットがあります。

鉄骨鉄筋コンクリート
では、賃貸物件として見た場合には、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。

構造上のメリット

鉄筋コンクリートは構造の面からも非常に頑丈なため、木造や鉄骨にはないメリットがあります。

防音性能が高い

木造や鉄骨に比べ、鉄筋コンクリートは非常に壁が厚く、また、二重床二重天井になっている場合もあるため、防音性能に優れています。賃貸物件として運用することを考えると、騒音によるクレームが発生しにくくなるため、投資家にも大きなメリットがあると言えるでしょう。

耐震性に優れている

震度の強い地震が多く発生している昨今においては、耐震性能は非常に重要な要素と言えます。

鉄筋コンクリートの場合は、地震の揺れを直接受け止める「耐震性」のほかに、建物の下に積層ゴムを入れて、地震の揺れを建物に伝えないようにする「免震性」ダンパーによって建物に伝わった揺れを吸収する「制震性」など、地震の揺れを軽減するさまざまな性能に優れていると言えます。

構造上のデメリット

鉄筋コンクリートは頑丈な作りであるがゆえに、次のようなデメリットもあります。

室内が狭くなる

鉄筋コンクリート造は、梁や柱が室内に出っ張りやすいため、室内空間がほかの構造に比べて狭くなる傾向があります。
特にワンルームの場合は、図面で見るよりも狭く感じることがあるため、事前に現地を確認してから購入を検討することをおすすめします。

気密性が高く結露しやすい

鉄筋コンクリートは、木造や鉄骨よりも頑丈に作られている分、気密性が高すぎて換気がしにくいというデメリットがあります。
特に冬に窓を閉め切った状態でエアコンを使っていると、窓枠などが結露してカビが生えることもあるくらいです。

最近では24時間換気が義務化されたため、マンションでも通気性はよくなりつつありますが、ほかの構造に比べるとまだまだ注意が必要です。

おわりに

以上が構造面から見た、それぞれのメリット・デメリットです。どの構造についても、メリットとデメリットがあり、なかには表裏一体であるケースもあります。
一概にどれが良いというよりは、自分の予算や投資スタイルにあわせて選ぶことが重要と言えるでしょう。

次回は、そんな予算や投資スタイルを検討する際にポイントとなる、構造ごとの「金銭面の特徴」について迫りたいと思います。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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