アパートの相続対策を検討しています。売ったほうがいい?売らないほうがいい?
アパートを一棟所有しているのですが、近年相続税法が改正されたこともあり相続対策を検討中です。
弁護士や税理士に相談したのですが、人によって売ったほうがいいという人もいれば売らないほうがいいという人もいて困っています。
ズバリ、アパートは相続対策を考えた場合どっちのほうがいいのでしょうか?
アパートは相続対策で売った方がいいケースと売らない方がいいケースがあり、どちらがベストなのかについては相続対策の趣旨によって異なります。
賃貸物件を所有している人から、相続を前にして売るべきか売らざるべきか相談を受けることがよくあります。
非常に気になるテーマですが、実は相続対策で何を対策したいのかによってアドバイスは180度変わってくるのです。
相続税対策なら売らざるべき
相続税対策の目的が相続税の節税だとすれば、アパートは売らずに保有することをおすすめします。
不動産は相続税の課税評価額が時価よりも非常に低く算定されるため、売って現金化するよりもそのままの状態で保有していた方が相続税の課税計算上は圧倒的に有利です。
さらにアパートなどの賃貸物件の場合、建物は貸家、土地は貸家建付地となり評価額がさらに引き下げられるので相続税の節税効果は非常に高くなります。
遺産分割対策なら売るべき
相続人予定者が複数人いる場合でアパートが一棟しかないと、誰がアパートを相続するかでもめてしまう可能性が出てきます。
遺言書を書いて対策することもできますが、現実問題としてはそう簡単に解決とはならないケースが多いです。
アパートのように物理的に分けて相続することができない財産については、生前に売却して現金化しておくことで遺産分割対策とすることが効果的です。
相続税は「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」の基礎控除額を超えた場合に課税されるので、まずは相続税を試算してみてそれから売るかどうかを検討するとよいでしょう。
2020/03/23
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回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー