夜逃げされた部屋の家賃はいつまで保証される?
先日賃借人が突然夜逃げをしてしまい、室内はきれいにもぬけの殻状態になっていました。
幸い保証会社に加入していたため、家賃の取り損ねはありません。
契約ですと退去する場合は1ヵ月前通知予告になっているのですが、保証会社に連絡すれば1ヵ月分の家賃も保証してもらえるのでしょうか?
明渡しが完了したとみなされると保証が打ち切られる可能性があります。
保証会社に加入していれば、原則として契約期間中は家賃が保証され続けます。
ただし、保証会社が家賃を保証するのは物件の「明渡しまで」としているケースが多いので、明渡しが完了してしまうとその時点で家賃保証が終了してしまう可能性があるため注意が必要です。
保証委託契約書に「乙が本物件を退去し明渡しを完了する日まで」を保証の有効期間とする記載があるか確認してみましょう。
夜逃げでも明渡し完了になるのか
オーナーからすれば夜逃げで明渡し完了といわれても納得できないでしょう。
通常は、賃借人の引越しが終わって鍵の返却を以て明渡し完了となるはずです。
夜逃げのケースについては直ちに明渡し完了になるわけではありませんが、次の条件が揃うと保証会社から明渡し完了とみなされて保証を打ち切られる可能性があります。
- 室内に残置物がない
- カギがオーナーに返却されている
今回の事例では、室内に残置物がない状態なのでカギの返却が問題となります。
保証会社としてはできるだけ早く保証を打ち切りたいので、夜逃げの報告を受けるとすぐに現地までやってきて室内に残置物がないことを確認すると、カギ交換業者を手配して玄関のカギを交換し、そのカギをオーナーに返却した時点で明渡し完了としてしまうケースが多いです。
明渡しが完了すると以降の家賃は保証されないため、たとえ1ヵ月前予告だとしても1ヵ月分の家賃については夜逃げした本人に請求することになります。
また敷金を預かっている場合については、1ヵ月前予告期間の家賃分に充当することも可能ですが、保証会社を利用している場合は保証会社も敷金から弁済を受ける契約になっている場合がありますので、詳しくは保証会社と相談することをおすすめします。
2020/02/22
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回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー