不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

入居者が勝手に法人登記していた…賃貸借契約は解除できる?

当方のマンションの入居者が、ある日1階の集合ポストの表札に会社名を貼り出しました。

本人に聞いたところ、このマンションの住所で法人登記して会社を設立したといわれ困惑しています。

そもそも賃貸借契約書には「居住用」と書いてあるのに、大家に許可もなく勝手に法人登記するのは間違っていると思うのですが、契約違反を理由に賃貸借契約を解除することはできるのでしょうか。

法人登記したことだけを理由に契約解除することは難しいと考えられます。

賃貸借契約を結ぶ際には、重要事項説明書や賃貸借契約書に部屋の使用用途を明記するため、原則としてそれ以外の用途に勝手に転用することはできません。

今回のように、勝手に法人登記をして会社を設立する行為は、確かに契約違反にあたります。

ところが、賃貸借契約については、契約違反だからといって、必ずしも契約解除が認められるわけではありません。

信頼関係破壊の有無がポイント

たとえ契約違反があったとしても、賃貸人との信頼関係を破壊する恐れがあると認めるに足りない特段の事情がある場合には、解除が認められません。

賃貸借契約はその場限りの契約ではなく、継続的な契約であるという性質から、契約内容に違反したとしても、内容や程度によっては解除が認められないのです。

今回のように、賃借人が単に法人登記したことだけを理由に契約解除することは難しいと考えられます。

判断のポイントとしては、法人登記したことによって、実際にどのような影響が出るかという点です。

例えば、法人登記はしたものの、室内で業務を行うことはなく、他の入居者へも何ら影響がないような場合については、信頼関係の破壊とは言えないでしょう。

一方で、居住用のマンションで勝手に雑貨店を開業されたら、頻繁に人が出入りすることになるため、信頼関係の破壊と認められる可能性が出てきます。

このように、契約解除が認められるかどうかについては、会社を設立したことによって、具体的にどのような影響が生じるのか、という部分がポイントになるでしょう。

2019/09/14

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

記事一覧