和室から洋室へのリフォーム費用は、資産計上か費用計上か?
リフォームで和室から洋室化すると、その部分の費用は全て資本的支出となり、経費で一括計上はできないのでしょうか?
和室から洋室への変更は、修繕費は「資本的支出」とみなされる可能性が高いです。
1.資本的支出となる根拠。
(1)資産価値の増加の可能性
過去の裁決事例(平成26年3月20日)でも、和室から洋室への変更は、物件の資産価値を増加させる改装工事とみなされています。
特に、リフォーム後に賃料が増加する場合や、入居率の向上を目的として行われた場合には、資産価値が高まる点が明確であり、通常の維持管理や修繕を超えた「改良」と判断される可能性が高いでしょう。
(2)使用可能期間の延長
住居から事務所などの「用途変更のための模様替え」は、典型的な資本的支出に該当する例として挙げられます。
しかし、和室から洋室は、住居という用途は変更していません。
完全に資本的支出と言い切れない部分はありますが、リフォーム内容として、畳をフローリングに変更する、建具を新調するなど、建物の使用可能期間を延長させる工事が含まれることが多いです。
リフォームの結果として賃料増加や物件の競争力向上が見込まれる場合には、税務上「資本的支出」に該当すると判断される可能性があります。
2.全額経費になる場合
資本的支出に該当しても、1つの工事費用が20万円未満であれば、修繕費として全額経費計上が可能となっています。
工事の金額次第では、全額経費になりますので、見積書を見直して、リフォーム業者さんと金額交渉してみることをおすすめします。
2025/08/15
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士