不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

子どもからの借入金。相続税から引いても大丈夫?

新築のアパートを建築しようと思っております。

相続対策のために、アパートの資金一部を子どもから借り入れるという形で建てようと思っています。この場合、私に相続があったときに残った借入金は、相続資産から引くことができるのでしょうか?借入金の契約書を交わしておこうと思いますが、税務署は認めるでしょうか?

相続財産から控除できる債務(借入金)は、金融機関から借りたものに限らず、親族からの借入も含まれます。

ただし、親族、とくに相続人からの借入の場合には、相続税を抑えるためだけに行った「租税回避行為」ではないかと疑われる可能性があります。

租税回避とならないための証拠は残された方がよいでしょう。

具体的には下記を参考にしてください。

  • 契約書を作成すること
  • ⇒自署で署名し実印を押された方がよいです。金額に応じた印紙を貼るのを忘れないようにしましょう。

  • 契約書通りの返済が行われていること
  • ⇒借入と認めてもらうためには、返済を前提にしているかどうかが重要です。
    返済の履歴が残るように振り込みにした方がよいでしょう。

  • 金融機関ではなく親族から借りなければならなかった理由
  • ⇒金融機関で借りられるのにもかかわらず親族から借りたということに合理性がないと租税回避と疑われてしまう可能性があります。

  • 相続直前の行為ではなかったこと
  • ⇒相続の直前で行うと、相続税を減らすために行ったのではないかと疑われてしまいます。
    結果的に相続直前になってしまうのは問題ないですが、相続が間近に迫っていると思われる年齢で実行するのはリスクがあると考えます。

  • 相続までに返済できる金額や期間であったこと
  • ⇒借入が現実的に返済できる金額や期間でないと、そもそも借入の契約として成り立っていないと疑われてしまう可能性があります。

    2025/05/30

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    渡邊 浩滋

    税理士・司法書士

    渡邊 浩滋

    税理士・司法書士

    経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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