不動産投資コラム

知っておきたい「団体信用生命保険」のキホン

2018/12/12
行政書士棚田 健大郎
知っておきたい「団体信用生命保険」のキホン

住宅ローンを借りるときに加入する団体信用生命保険(通称「団信」)。
強制加入の印象がありますが、最近ではフラット35などで任意加入となっていることもあります。

では、不動産投資ローン(アパートローン)を借りるときには、団体信用生命保険に加入したほうがよいのでしょうか?また、通常の生命保険とどのような違いがあるのでしょうか?2回に分けて解説いたします。

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団体信用生命保険とは?

そもそも団体信用生命保険とは、住宅ローンを組む際に加入する保険で、ローン返済中に死亡したり、所定の高度障害状態となったりした場合に、残りの住宅ローンの返済が免除される生命保険です。

具体的には、死亡または高度障害状態となった場合に、その時点の住宅ローン残高相当額の保険金が下りる仕組みで、保険金をもって住宅ローン残高を一括返済します。
よって、保険金額は住宅ローン残高にあわせて変動することになるのが特徴です。

団体信用生命保険の「保険金受取人」は、本人や家族ではない

通常の生命保険の場合、本人が死亡もしくは高度障害状態になった際に支払われる保険金は、当初受取人として指定した、本人や配偶者、子供などが受け取るのが一般的です。

対して、団体信用生命保険の場合、保険金の受取人は住宅ローンを組んだ金融機関に指定されます

つまり、団信から保険金を本人や家族が受け取って、それから住宅ローンの一括返済に充当するのではなく、住宅ローンを組んだ金融機関が直接団信から保険金を受け取って住宅ローンを完済するのです。

このように団信は、住宅ローンを組んだ債務者に「もしもの事」があった場合に、金融機関が貸倒れになることを防ぐために、債務者に加入してもらう保険ともいえます。

団体信用生命保険は保険料が不要!?

通常、生命保険に加入した場合、毎月の保険料は本人や家族が負担するのが一般的ですが、団信の場合、保険料は住宅ローンを組む金融機関側が負担してくれるケースが多いようです。

実質的には、住宅ローン金利の中にすでに団信の保険料分が上乗せされているような感覚になります。そのため、団信の保険料は住宅ローン残高に応じて、常に変動することになるのです。

「がん団信」や「3大疾病付」など補償範囲を拡大して加入する場合については、その分の保険料は通常の住宅ローン金利に上乗せされます。

また、長期固定金利である「フラット35」で住宅ローンを組む場合の団信保険料については、原則として自己負担です。

ワンポイント最新情報
フラット35と団信がリニューアル

平成29年10月1日からフラット35の団体信用生命保険がリニューアルされました。
これまでフラット35で団信に加入した場合については、団信保険料について年払いで自己負担となっていたのですが、リニューアルにより年払い保険料が不要となったのです。

これはフラット35が「団信付き住宅ローン」としてリニューアルされたため、月々のフラット35の支払いに、団信保険料が含まれたことによります。
よって、加入者は定期的にまとまった保険料を負担しなくて済むため、これまで以上にフラット35を使った場合でも、団信に加入しやすくなったといえるでしょう。

また保障内容についても次のようにアップグレードされました。

旧機構団信:死亡保障 高度障害保障
新機構団信:死亡保障 身体障害保障

旧3大疾病付機構団信:死亡保障 高度障害保障 3大疾病保障
新3大疾病付機構団信:死亡保障 身体障害保障 3大疾病保障 介護保障

※詳しくは住宅金融支援機構の下記サイトでご確認ください。
https://www.flat35.com/topics/topics_201703_danshin.html

次回 は団信について不動産投資ローンでは必須なのか任意なのか、メリット・デメリット、不動産投資ローンにつけた方がいいのかどうかといったことについて解説いたします。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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