不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

資産管理法人に個人物件の修繕費を負担させてよい?

資産管理法人を設立して、個人の賃貸経営の管理をさせています。

今期の資産管理法人の利益が大きいので経費を増やしたいと思っています。

そこで個人所有の賃貸アパートの外壁塗装や部屋の修繕を法人で契約し実施した場合、法人の経費になるのでしょうか?

個人と法人間で何か契約を交わせば良いのでしょうか?

まず、資産管理法人の形態を確認する必要があります。

個人所有の賃貸物件を管理する管理法人であれば、修繕費などを法人が負担することはできません。

本来所有者が支出するべきものを、他人が支出することは贈与と扱われる可能性があります。

管理法人が修繕を負担することは、不動産オーナーに対する寄付(不動産オーナーが役員の場合には、役員賞与)になる可能性があります。

法人からすると寄付金や(突発的な)役員賞与は経費になりません。
個人が法人から寄付金や役員賞与をもらうと所得税がかかります。

もし、資産管理法人の形態がサブリース法人(法人が個人から物件を一括借り上げし、その法人が入居者と直接、賃貸借契約する方式)の場合には、法人と個人の賃貸借契約書の記載によって、法人負担にできる場合があります。

例えば、軽微な部屋の修繕費をサブリース借主である法人の負担することを、賃貸借契約(サブリース契約)に記載することで、法人の負担にすることは可能と考えます。

しかし、建物の構造に係る修繕費(例えば、大規模修繕費)を、所有者ではないサブリース法人に負担をさせることはできないと考えます。

こちらは、建物所有者が負担するべきものであり、契約で変更できるものではないためです。

2024/11/22

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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