共有者の一部の人が家賃収入を取得することは問題がある?
共有不動産の賃貸収入の分配について教えてください。
不動産の家賃収入などの法定果実について、共有権者は持分に応じた果実収取権があるので、例えば家賃収入が共有権者の一人に独占されている場合には、持分に応じた賃料を請求(不当利得返還請求)することが『できる』という旨の記述をWEB上で多く見ました。
一方で、共有不動産の家賃収入を、共有権者全員の合意の元、あえて共有権者の一部が取得することは『できる』のでしょうか(所得税など税金の観点から問題はあるのでしょうか)?
また、少額の所得であれば問題ないが多額の所得である場合には問題がある、ということはありますか?
持ち分に応じた賃料を請求できるという、『できる』ということですが、これは請求権があるということです。
請求権、つまり裁判などで訴えることができる権利です。
この権利を行使するかどうかはその人次第です。
というのが民法上の考え方になります。
一方、税法では、収入の帰属者が誰かを決めています。
勝手に収入の帰属者を変えられると、不当な税金逃れが生じてしまうためです。
「資産から生ずる収益を享受する者がだれであるかは、その収益の基因となる資産の真実の権利者がだれであるかにより判定すべきである」
共有である不動産は、それぞれの持ち分に応じた権利者が収入の帰属者になります。
他人の所有の不動産を自分の所得としてしまうと、贈与と認定される可能性があります。
贈与になる場合には、基礎控除110万円があります。
110万円以下の少額の場合であれば、問題とならない可能性はあります。
2024/05/10
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士