不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

母名義の物件に子どもがリフォーム費用を出した場合は経費になる?

母名義の築古のアパートがあります。

空室も増えてきたのでリフォームする必要があると思い、息子である私が資金を捻出しました。

この場合、このリフォーム費用は母の経費にすることが可能ですか?

名義人でない人がリフォーム費用を出した場合、贈与となる可能性があり経費にすることはできません。

まず、前提としてお母様名義のアパートに、お母様以外の名義でない人がリフォーム費用を出した場合には、贈与となる可能性があります。

贈与となると、贈与を受けたお母様に贈与税が発生することになります。

なぜ贈与になるかと言うと、民法に不動産の「附合」という下記の規定があります。

『不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する』

権利関係を複雑にしないように、不動産に従として後からくっつけたものの所有権は、主である不動産の所有者に帰属することになります。

つまり、リフォームなどをした増改築部分は、所有者に所有権が帰属することになり、その金額分贈与したと扱われるのです。

なお、扶養義務者相互間において生活費に充てるためにした贈与したものは、贈与税が非課税になりますが、アパートのリフォームは生活費に充てるとは言えないかと思いますので、非課税にはならないと考えます。

贈与とならないためには、リフォーム分に相当する金額の持分を息子様が建物に持つこと、もしくは、贈与ではなく貸し付けにすることです。

息子様の持分を持つのであれば、お母様の経費にすることはできません。
貸し付けにして、お母様がリフォーム費用を出したということであれば経費にすることが可能です。

2021/10/06

東京に仕事を求めてやってくる単身者増加中…不動産投資は、立地で決まる

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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