不動産投資コラム

サラリーマンが不動産投資に向いている3つの理由

2018/11/14
不動産鑑定士堀田 直紀
サラリーマンが不動産投資に向いている3つの理由

不動産投資というと、ひと昔前までは、経験豊富なプロの投資家が専門的に行うもので、儲けも多いがリスクも高いというイメージが強かったと思います。

しかし、最近では、会社に勤務するサラリーマンの方が、ごく普通に投資をするような時代になってきています。
これはいったいなぜなのでしょうか?
また、むしろサラリーマンだからこそ、有利に参加することができるということもあります。

当記事ではサラリーマンが不動産投資に向いている理由を説明、後編では比較的参加しやすいといわれる新築アパートの投資について触れてみたいと思います。

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サラリーマンの属性をいかせる

投資用不動産を購入する場合、皆さんはおそらくローンを組むことになると思います。

投資用不動産の借入の種類としてはアパートローンとよばれるものがあります。

アパートローンとは、不動産から得られる賃料収入を返済の原資としたローンです。
収支の安全性が重要となり、しっかり事業計画が立てられているかがポイントとなります。

もちろん、自己資金(頭金)の額、賃料収入の見込み、物件の担保価値、物件以外の既存借入額なども重要ですが、この場合、借入をされる方の属性も審査の大きな判断基準になります。

つまり、安定して得られるような収入があるかということです。
サラリーマンの方は、個人経営やフリーランスの方とちがい、毎月決まった給与収入が入ってきます。
勤続年数が長いほど、信用力のある企業に勤めていればいるほど有利になるといえるでしょう。

サラリーマンが不動産投資に向いているといわれる理由は、借入のしやすさにあると思われます。

レバレッジを利かせて収入を大きくすることができる

皆さんも聞かれたことがあるかもしれませんが、不動産投資の醍醐味は、レバレッジを利かすことができるということにあります。

「レバレッジ(leverage)」は、日本語では「てこの作用」というように訳されます。
意味としては、他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めるということです。

要するに、少ない手元資金でも、他人資本(融資)を受けることによって、大きな利益をあげることが可能になるということです。
いまは多額の資金を保有していない若いサラリーマンの方でも、少ない手元資金で投資をスタートできるということになります。

以下のように、融資を受けることによって、全額自己資金の場合に比べ、大きな収益を実現することができるようになります。
レバレッジ

500万円を自己資金(頭金)とする場合、銀行の融資を受けなければ、全額が自己資金となります。したがって、購入の予算は500万円となります。利回りが7%と前提をおくと、年間収益は35万円となります。

年間収益:500万円×7%=35万円

次に自己資金が同じ500万円であっても、3,500万円の融資を受けられるということであれば、4,000万円までの物件を購入できるようになります。これによって、物件の選択の幅はグッと広がります。上記と同じ利回りを7%と仮定すると、年間収益は280万円となります。
年間収益:4,000万円×7%=280万円

融資を受けているわけですから、利息の支払い(金利2%の場合)が70万円発生します。
年間利息:3,500万円×2%=70万円

よって、実質的な年間収益は210万円となります。
年間実質収益:280万円-70万円=210万円

この場合の自己資金に対する利回りは42%となります。
自己資金利回り:210万円÷500万円=42%

自己資金が同じ500万円であり、年間収益が35万円であったものが、3,500万円の融資を受けることによって、210万円の収益を得ることができました。この場合のレバレッジ効果は6倍ということになります。
レバレッジ:210万円÷35万円=6倍

ただし、注意点としては、借入金利が上昇すると、レバレッジ効果が薄れることになってしまうことです。

たとえば、上記の例ですと、借入金利が2%から5%に上昇した場合、レバレッジは6倍から3倍になってしまいます。

年間利息:3,500万円×5%=175万円
年間実質収益:280万円-175万円=105万円
自己資金利回り:105万円÷500万円=21%
レバレッジ:105万円÷35万円=3倍

極端に金利が上昇した場合、借入をしなかったほうが、むしろ多くの収益を得ることができたという「逆レバレッジ」の状態になることがあるので、留意が必要です。

※上記は簡素化のために物件取得時の諸費用などは考慮していません。また、あくまでレバレッジのイメージですので、借入可能額、金利等は実際のものとは異なります。

専門業者に任せて本業に集中できる

不動産投資は、基本的には長期的な視点に立った投資といえます。
そのため、日々こなさなければならない業務は限られています。

同じ投資といっても、株やFX、仮想通貨などへの投資は、刻々と市況は変化していくため、常に目が離せない状況にあります。
即座に対応できなかったばかりに大きな損失につながるというリスクがあります。
本業に集中しなければならない会社勤めのサラリーマンが、そのような動きが速いマーケットに対応するには限界があります。

その点、サラリーマンにとって、不動産投資は時間的に向いているといえます。

不動産管理会社
また、不動産投資には、任せられる専門業者が多く存在しているということもメリットのひとつです。
もちろん、ご自身で全ての賃貸管理業務を行う方もいらっしゃるかもしれませんが、副業で不動産投資を行うサラリーマンの方については、専門業者に任せてしまうことをおすすめします。

不動産管理は、古くから存在している分野なので、全国に専門業者が多数います。
個々の状況に応じて、任せる範囲も自由に選べます。賃貸管理業務は、物件の清掃保守点検業務入居者募集活動賃料回収業務入居者のクレーム対応長期修繕計画など多岐にわたります。

個人では時間的にも経験的にも難しい場合がありますので、多少の手数料を払ってでも、一部もしくは全部を専門業者に任せてしまうのが良いと思います。

このように本業に集中しながら投資をすることができるのが、サラリーマンの方に向いているところだと思います。

ただし、最近、幅広い副業を認める企業が多くなってきていますが、就業規則で禁止している場合もありますので、念のため確認するようにしましょう。

後編 ではサラリーマンが始めやすい新築アパートの投資について解説いたします。

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堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

不動産鑑定士試験合格後、民間最大手の大和不動産鑑定株式会社にて約11年間、収益物件をはじめとした鑑定評価業務に従事。平成29年10月、ミッドポイント不動産鑑定株式会社を設立。

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