減価償却を大きく取ったのに、還付が少ないのはなぜ?
昨年、築古のアパートを借入れによって購入しました。
売買代金のうち建物金額が半分以上あって、4年償却で減価償却ができたため不動産所得で大きく赤字になりました。
しかし、還付された金額が思ったよりも少なかったのですが、なぜでしょうか?
土地負債利子による損益通算の制限の規定があるため、損益通算が満額できなかったことが原因と思われます。
不動産所得が赤字になった場合には、給与などの他の所得と損益通算(相殺)をして、全体の所得を減らすことができます。
給与は収入金額から源泉徴収がされているため、給与に係る所得税が払いすぎの状態となって、確定申告をすることで還付を受けることができます。
しかし、不動産所得の計算では、次の規定があります。
通常、借入金の利息は経費になります。
赤字になった場合には、経費になったとしても、赤字分から土地の借入金の利息を控除した金額が損益通算の対象となります。
不動産所得の赤字が100万円になったときは、100万円が損益通算の対象ではなく、
100万円-60万円=40万円
のみが損益通算の対象になります。
つまり、赤字のうち60万円(土地の利息分)は経費にならなかったのと同じ結果になるということです。
この規定があるため、借入金で不動産投資をした場合に、還付が多くならないことがよくあります。
2021/02/20
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士