不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

家賃を敷金から充当する場合、家賃を減額したことになる?

コロナによって入居者さんから家賃減額要請がありました。
預かっている敷金があるので、敷金から家賃を充当するよう交渉しています。

家賃を敷金から充当した場合は家賃を減額したことにはならないですか?
敷金に充てた場合に何か大家にメリットある税制措置はありますか?

貸主が賃料債務などの回収を目的とする金銭なので、減額したことにはなりません。

令和2年4月から施行された改正民法第622条の2において、敷金が定義されました。

「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭」

家賃や将来の借主が負担する修繕費などを担保するお金ということです。

ですから、敷金を家賃に充当することで、大家さんは預かり敷金を返還する義務(債務)がなくなります。

将来、返還しなければならない債務がなくなるということは、家賃をもらっているのと同じ効果になります。

したがって敷金に充当した場合、家賃の減額にはならず、税制上の支援策の適用にはなりません。

2020/06/09

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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