新型コロナでテレワーク/制度ありでは7割弱に指示
国土交通省は令和元年度「テレワーク人口実態調査」の結果を公表しました。
この調査はテレワーク関係府省(内閣官房、内閣府、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省)が連携し、今後のテレワークの普及推進に役立てることを目的とし、毎年行われているものです。
また、今年度の調査では、同時に新型コロナウイルス感染症対策におけるテレワーク実施実態調査も行われました。
※以下、端数処理の都合上、100%とならない場合があります。
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新型コロナウイルス感染症対策としてのテレワーク
テレワーク実施の指示の有無
勤務先からのテレワーク実施(在宅勤務に限る)の指示の有無の調査結果です。
テレワーク制度等のある雇用型テレワーカーで、感染症対策の一環としてテレワークを実施するよう「指示があった人」の割合は18.5%、「できるだけ実施するように推奨された人」の割合は48.5%、併せて67.0%でした。
テレワーク制度等のない雇用型テレワーカーでは指示・推奨合わせて19.8%、雇用型非テレワーカーでは指示・推奨合わせて13.7%という結果になっています。
感染症対策としてのテレワーク実施割合
雇用型就業者を対象に行われた、新型コロナウイルス感染症対策の一環として実施されたテレワークについての調査結果です(令和2年3月にWEB調査を実施)。
テレワーク制度等に基づくテレワーカーが52.0%、テレワーク制度当がないテレワーカーが14.8%と、実施割合はもともとの制度等の有無によって変わってくることが明白になっています。
テレワークを実施してみて起こった問題
テレワークを「実施した」と回答した人を対象にした、実施してみて起こった問題についての調査結果です。
テレワークを実施した結果、なんらかの問題があったとした人の割合は、「テレワークをこれまでも実施してきていた」人のなかでは約4割、「今回はじめて実施した」や「実施したことはあったらが今回あらためて実施した」人のなかでは約8割という結果になりました。
また、起こった問題点としては「会社でないと閲覧できない資料やデータなどがあった」や、「営業・取引先等、同僚・上司等との連絡や意思疎通に苦労した」が多数でした。
調査の上での用語の定義は、「テレワーク人口実態調査結果(2019年10月18日~10月23日)実施」に基づく区分であり、下記の通りです。
就業者:収入のある仕事をしている人
うち「雇用型就業者」:民間会社、官公庁、その他の法人・団体の正社員・職員、及び派遣社員・職員、契約社員、嘱託、パート、アルバイトを本業としていると回答した人
うち「自営型就業者」:自営業・自由業、及び家庭での内職を本業としていると回答した人
テレワーカー…これまで、ICT等を活用し、普段仕事を行う事業所・仕事場とは違う場所で仕事をしたことがあると回答した人
非テレワーカー:これまで、ICT等を活用して普段仕事を行う事業所・仕事場とは違う場所で仕事をしたことがないと回答した人
新型コロナウイルス感染症対策におけるテレワーク実施実態調査
調査期間:調査実施日(2020年3月9日~10日)から逆算して概ね1ヵ月間
有効サンプル数:5454人:首都圏(東京都、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県)居住者で、都心方面(東京23区、横浜市、川崎市)に鉄道を利用して通勤している雇用型就業者
令和元年度テレワークの普及度合いと実施実態
毎年実施されている「テレワーク人口実態調査」の令和元年版の調査結果です。
テレワーク認知度は上昇傾向
テレワークという働き方を「知っていた」と回答した人の割合は昨年度の29.9%から、今年度32.7%に増加しており、テレワークの認知度は年々上昇傾向にあるようです。
雇用型テレワーカーは微減
政府は平成29年5月に閣議決定した「世界最先端IT宣言・官民データ活用推進基本計画」において、テレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合を平成32(2020)年には平成28年度比で倍増(7.7%⇒15.4%)させるというKPIを設定しています。
今年度はその割合は昨年度の10.8%から微減し、9.8%となりました。
調査実施日:20年10月18日(金)~10月23日(水)
有効サンプル数:40000人:H29就業構造基本調査の性年齢別の人数の構成比を参考にサンプルを抽出。
また、三大都市圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県)、三大都市圏以外の地域の人数の構成比は、H29就業構造基本調査と同じ構成比となるように抽出。
“コロナ禍”は今後のテレワーク普及にどの程度影響?
昨年10月に実施された令和元年度テレワーク人口実態調査では、雇用型テレワーカーの割合は昨年と比べて微減という結果でした。
「コロナ禍」のあと、3月時点で、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワーク制度のない企業からの指示・推奨は20%未満であったものの、増加しているのは事実です。
今後はますますテレワーカーは増加していくでしょう。
テレワーク普及がより進めば、賃貸住宅需要においても、人気条件である「駅近」など、入居者の求める条件や設備などにも変化が起こるかもしれません。
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