不動産投資コラム

民泊経営で失敗しない!民泊物件の選び方とは?

2020/02/16
行政書士石井くるみ
民泊経営で失敗しない!民泊物件の選び方とは?

民泊事業を始めるにあたり、はじめに着手すべきは宿泊者を受け入れる物件(施設)を探すことです。
どのような目的で民泊を運営するのか、ターゲットとなる顧客層や利用する民泊制度など、物件探しをする際に重要なポイントを解説します。

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民泊事業の目的とは?

物件選定にあたっては、まず、事業目的を明確にしましょう。

利用頻度が年に数回程度の別荘や、相続したものの使うことがない空き家など、遊休資産の活用を目的とする場合は、営利目的が低いため稼働状況はさほど問題となりません。

しかし、新規に宿泊事業を立ち上げて事業(投資)目的を主とする場合は、宿泊ニーズの高い立地を見極めることが重要です。

ターゲットとする顧客層は?

民泊の主な顧客層は、アジアを中心とする観光目的の外国人旅行者(いわゆるインバウンド)であるため、交通利便性の高い都心の主要駅の近くや、外国人に人気の観光地周辺、リゾート滞在に向く絶景スポット(例:ビーチ付近)などの立地が向いています。

自分が海外を旅行するときの視点で、旅行者が求めるニーズをイメージしましょう。

慣れない土地で、大きな荷物を携えて移動する旅行者には、駅から近いこと、高層階であればエレベーター付きの宿泊施設が喜ばれます。

宿泊ニーズは、住居以上に立地の影響を強く受けます

また、家族連れやグループ旅行者には、大人数が収容できる施設が好まれます。

家族・グループ用の部屋

定員1~2名の20㎥前後の小規模な客室が多いビジネスホテルとの差別化を図る点でも、広めの部屋(40㎡以上)を選ぶことがおすすめです。

活用する民泊制度は?

候補物件が選定の次は、どの民泊制度を利用できるかを判断します。

年間180日の営業日数制限が気にならない場合、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業の届出を行います。

住宅宿泊事業は、必要な消防用設備等を設置することで、運営管理体制も旅館業ほど厳格な運用が求められないことから、気軽に事業を始めることができます

本格的な旅館業を始めるのではなく、「民泊ビジネスがどのようなものか試験的にトライしたい」という方にもおすすめの制度です。

他方、投資目的の場合、日数制限なく365日営業できる特区民泊、旅館業の許可が望ましい選択肢となります。

しかし、当該許可の取得には、旅館業法だけではなく、建築基準法、都市計画法等、様々な規制を遵守する必要があります。

物件を購入したが許可を取れなかった、当初の計画以上に改修工事の費用がかかってしまい断念、という事態にならないよう、特に複雑な旅館業の許可取得を希望する場合は、物件の選定段階から専門家に相談するよう注意しましょう。

次回は、旅館業申請の手続きの流れについて、ポイントを押さえながら解説します。

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石井 くるみ

行政書士・宅地建物取引士

石井 くるみ

行政書士・宅地建物取引士

日本橋くるみ行政書士事務所代表。東京都行政書士会中央支部理事。民泊・旅館業に関する講演・セミナーの実績多数。著書「民泊のすべて」(大成出版社、2017年度日本不動産学会著作賞(実務部門)受賞)

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