不動産投資コラム

老後資金2,000万円、資産寿命を延ばす方法は?

2020/03/12
行政書士棚田 健大郎
老後資金2,000万円、資産寿命を延ばす方法は?

老後資金が不足する可能性が高いことは、前編 である程度おわかりいただけたでしょうか。

後編では、老後資金の不足分をカバーするために、今からできる対策について解説していきます。

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国が推奨している「資産寿命を延ばす」とは

国が推奨している「資産寿命を延ばす」とは

老後2,000万円赤字の発端となった報告書を詳しく読んでいくと、国は対策として「資産寿命を延ばすこと」を推奨しています。

少子高齢化が進む一方で、医療技術の発達などにより長寿化も進んでいるため、それに合わせた資産形成が重要であるといっているのです。

同報告書では、考え始めるタイミングによって、次のような方法が望ましいと示しています。

現役の方

現在仕事をバリバリ現役でこなしている20~40代くらいの社会人については、長期・積立・分散投資による資産形成を推奨しています。

具体的には、国内外の株式、債券などに分散投資することで、収益のバラつきを抑制し、長期安定的なリターンを目指すといった手法です。

すべてを投資に回すのではなく、生活資金などの一定の金額については元本保証が効く預貯金などに保管し、それ以外の余剰資金を使って、できるだけ早い段階から、少額からでも長期積立分散投資をすることが有効な対策になるというのが金融庁の見解でした。

リタイヤ前後の方

すでにこの記事を読んでいる時点で、定年退職があと数年後に控えている方については、今ある金融資産の目減りの抑制、そして計画的な取り崩しについて対策を講じることが重要とのことです。

具体的には、退職金の運用方法を検討するとともに、今後のライフプランについて家族と相談することが重要でしょう。

今から実践すべき2つの対策

今現時点で、老後資金対策を何もしていないという方は、国がアドバイスしている上記資産運用法だけではなく、下記2つの対策についても検討することをおすすめします。

不動産投資による安定収入の確保

不動産投資

老後の安定資金として今注目を集めているのが「不動産投資」による家賃収入です。

不動産投資というと、バブルの頃のキャピタルゲイン(売却益)のイメージがあるかもしれませんが、最近の不動産投資はもっぱらインカムゲイン(家賃収入)で利益を出すのが主流となっています。

老後資金として考えた場合、不動産投資には次のようなメリットがあります。

メリット1:今すぐできる

不動産投資はお金がかかるイメージがありますが、定収入がある方であれば、価格にもよりますが頭金なしのフルローンですぐに不動産投資を始めることが可能です。

株式投資や国債、債券などの投資については、基本的に自己資金が必要なので、資金を貯蓄する期間が必要となりますが、不動産投資であれば投資資金自体のローンを組めるので、ハードルが低く、現役世代の方にとても向いている資産形成法といえます。

メリット2:年金代わりの家賃収入

不動産投資はローンの返済が終わると、その後は家賃収入だけが毎月入ってきます。これはまるで個人年金と同じですよね。満期もないので、物件が存在する以上は、一生涯にかけて家賃を受け取ることが可能です。

また、まとまったお金が必要になれば、不動産を売却することも可能なので、老後に突発的な支出が発生した場合にも対応できます。

メリット3:生命保険代わりにもなる

老後の資産形成を考える際に忘れてはならないのが家族のことです。
特に、自分が一家の大黒柱である場合、万が一のことがあって若くして死亡すると、残された家族の生活は逼迫してしまいます。

このようなリスクに対しては、生命保険への加入が一般的ですが、不動産投資をすればそれと同じ効果が期待できるのです。

不動産投資でローンを組んだ場合、団体信用生命保険というものに加入することになります。本人に万が一のことがあったら、ローン残債分の保険金が下りるため、残りのローンが一括で完済できるのです。

よって、残された家族はローンの返済に追われることなく、十分な家賃収入を受け取って生活していくことができます。

メリット4:再現性が高い

不動産投資は他の投資に比べると、相場が比較的安定していて不確定な要素が少ないため、再現性が高く安定して収益を出しやすいというメリットがあります。

また、賃貸経営については経験を積んだ分だけ収益が安定してきますので、若い頃から少しずつ物件を増やしていくことができれば、経営も安泰でしょう。

副業による収入増

副業による収入

投資以外でできることとして、今注目され始めているのが「副業」です。

政府が推進する働き方改革によって、かつては禁止されることが多かった副業について、原則として認める方向へとモデル就業規則の規定が改定されました。

これにより、今後は会社員が1組織の給与だけに依存せず、他の収入を確保できるチャンスが広がったのです。

以前は副業というと、ちょっとした内職や深夜のアルバイトといったイメージが強かったかもしれませんが、最近は副業を推進する会社も出てきており、会社員が副業で自ら起業するというケースも珍しくありません。

また、SNSや仕事マッチングサイトの普及により、次のような仕事を個人で受注して副業にしている人もたくさんいます。

  • グラフィックデザイン
  • コピーライティング
  • システムエンジニア
  • プログラミング
  • コンサルティング
  • 通訳、翻訳

最近では、企業が仕事マッチングサイト経由で個人に発注するケースも増えているため、今後ますます副業がしやすい環境が整うでしょう。

副業によって収入が増えれば、その分を貯蓄に回すこともできますし、余剰資金を運用して資産形成することも可能です。

何より、副業には定年という概念がないので、本業を退職した後の安定収入としても期待できるでしょう。

まとめ

老後資金が2,000万円不足すると聞いて焦った方は多いと思いますが、この数字はあくまで総務省の家計調査による平均値を基にしている金額なので、実際に不足する金額は人によって大きく異なります

大切なことは、不安に駆られてやみくもに投資を始めることではなく、まずは前編を参考にして自分自身の年金受給額を試算してみることが重要です。
その上で、どのような老後を過ごしたいのか、それに必要な金額、その対策を考えていく必要があります

金融庁の報告書にもある通り、資産形成は早くから行った方が有利な点が多いので、この問題を後回しにせず、ぜひこれを機会に老後資金について真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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