不動産投資コラム

中古の修繕履歴を見落とすな!区分マンションの場合

中古の修繕履歴を見落とすな!区分マンションの場合

中古の区分マンションや中古の一棟アパートを購入する場合、事前に必ずチェックすべき項目の1つに、大規模修繕の履歴があります。

購入してから、「実はすぐに大規模修繕が必要なことがわかり、多額の修繕費がかかってしまった」ということになると、予想外の出費によって予定していた利回りを大幅に下回ってしまう恐れがあるため注意が必要です。

そこで今回は、修繕履歴の見方からチェックポイントまでを2回に分けてご紹介いたします。

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大規模修繕履歴とは?

中古物件を購入すると、引き渡しを受けた直後からは、建物の維持修繕のかかる費用は自分で支出しなければなりません。

エアコンの交換程度の修繕であれば大きな影響はないでしょうが、大規模な修繕工事が発生すると、たちまち投資利回りを圧迫する可能性があります。

そこで購入する際には、「大規模修繕履歴」を書類によって確認することがとても重要なのです。大規模修繕履歴とは、その建物の新築時から今現在に至るまでに行ってきた、大規模な修繕の履歴を記した書類をいい、物件によっては、ただの「修繕履歴」としているケースもあります。

大規模修繕の具体例

大規模修繕履歴に書かれる内容には、主に以下のようなものがあります。

  • 屋上防水工事
  • 鉄部塗装
  • 外壁工事(塗装やタイルの張り替え)
  • 給排水設備
  • 漏水工事
  • 雨漏り工事
  • オートロック設備
  • エレベーターのメンテナンス関係
  • 機械式駐車場のメンテナンス関係

修繕履歴の具体例

上記の大規模修繕履歴に加え、通常の修繕履歴としては以下のようなものがあります。

  • エアコンの交換
  • 給湯器の交換
  • キッチンの交換
  • フローリングなどの床材の交換
  • 壁紙の張り替え
  • トイレの修繕履歴
  • その他、原状回復工事の履歴

大規模修繕履歴の見方

このように大規模修繕というと、建物全体に及ぼす修繕工事のことを意味し、ただの修繕というと、主に室内の設備に関する修繕履歴を意味します。

修繕履歴については、以下のように記載されます。

2015年1月 101号室 給湯器交換
2016年8月 共用部 階段鉄部塗装

 
このように、いつ、どの部分に、どんな工事をしたのかがわかるように記載されているので、物件を購入する際には、大規模修繕履歴ないし修繕履歴を確認して、今後必要となる出費を利回りに考慮することがとても重要なのです。

物件購入前の修繕履歴チェックポイント 区分マンションの場合

ここからは、実際に修繕履歴でチェックすべきポイントについて見ていきましょう。
修繕履歴は、区分マンションと一棟ものアパートかによって異なるため、それぞれ分けて解説します。

区分マンションの場合は、管理組合から委託を受けている管理会社がすべてを取りまとめているため、修繕履歴についてもきちんと情報として残っています。

修繕履歴を知りたい場合は、仲介不動産会社を通して管理会社に対して発行を依頼することで入手が可能です。一定の手数料がかかる場合もありますが、通常は不動産会社が負担してくれます。

チェックポイント1:大規模修繕の実施時期

先ほどご紹介した大規模修繕は、多くの場合まとめて同じ年度に実施することが多いため、その実施時期がとても重要になります。ここ最近で実施しているようであれば、しばらくは実施する必要がなくなるため、購入する際の安心材料となります。

大規模修繕は12年周期が目安となっているため、現時点でこのマンションがどの時期にあるのかを知っておくことが大切です。

チェックポイント2:長期修繕計画も合わせてチェック

過去の大規模修繕履歴を確認したら、将来の大規模修繕の予定もチェックする必要があります。区分マンションの場合は、「長期修繕計画」という計画書を作成して、それに沿って工事を実施していくのです。

長期修繕計画書も、修繕履歴と一緒に発行してもらうことができますが、管理会社によっては現所有者宛にしか郵送できない、という回答をされるケースがありますので、その場合は不動産会社を通じて受け渡してもらいましょう

チェックポイント3:修繕積立金残高とのバランスを確認する

修繕積立金残高とのバランス
たとえ直近で大規模修繕が実施されていなかったとしても、それだけで心配する必要はありません。実施されていなくても、実施できるだけの「修繕積立金残高」があれば問題はないのです。

修繕積立金の残高については、修繕履歴と一緒に発行してもらえる「重要事項調査報告書」に記載されています。不動産会社に言えば発行してくれますので、そこでチェックしましょう。

大規模修繕工事には、数千万円~億単位の費用がかかる可能性があります。
修繕積立金残高が1,000万円前後のごくわずかな金額しか貯まっていないと、購入後すぐに修繕積立金の値上げ案が総会で議題にあがる可能性があるため注意が必要です。

万が一修繕積立金が値上がりすると、利回りを圧迫するばかりか、売却する際の価格にもマイナスの影響をもたらすため、現時点での修繕積立金が適正なのかも含めて確認する必要があるでしょう。

このように、区分マンションの場合は、修繕履歴の詳細なデータが残っているため、ポイントとしては、発行してもらった書類をしっかりチェックすれば大丈夫です。

また、大規模修繕の予算は、所有者1人ではなく、管理組合全体で管理しているため、自分の意見だけではどうにもできないことがあります。

購入後に、自分の意に反して修繕積立金が突然値上がりすることのないよう、よく確認しておくことが重要です。

次回は一棟アパートの修繕履歴のチェックポイント、さらに区分マンション・一棟ものに共通するチェック項目について解説いたします。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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