不動産投資コラム

税理士目線で考える/投資するなら新築or中古?

税理士・司法書士渡邊 浩滋
税理士目線で考える/投資するなら新築or中古?

不動産投資で「新築物件に投資するのがよいか、中古物件に投資するのがよいか」という質問をよく受けます。
これは永遠のテーマのような気がしています。

今回は、税理士目線で、新築か中古かどちらに投資するべきかの結論を出したいと思います。

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1.一般的な新築と中古の違い

よく言われるのが、「新築は建築費に多くの利益が乗っかっているため利回りが低い。購入した後、すぐに価格が落ちる。」などと言われます。

中古物件の魅力は、利回りの高さかと思います。
新築の利回りと中古の利回りで3~4%以上、中古の利回りが高いのであれば、中古物件に投資したほうがよいでしょう。

しかし、今の市場からすると(特に都心部)は、新築の利回りと中古の利回りでは大きな差がないのが現状です。

利回りに大きな差がない場合には、どう判断するべきか悩ましいところです。

2.新築物件のメリット・デメリット

(1)保有期間中

新築物件は、利回りは低いことがデメリットですが、大規模修繕などの大きな支出がないことがメリットになります。

新築プレミアムとして、相場家賃よりも上乗せされた家賃設定されていることが多いため、将来の家賃の値下がりをデメリットにあげる方もいらっしゃいます。

しかし、将来の相場家賃は購入前に調べることができます。
相場家賃に引き直した事業計画を作成して、購入するかどうかを決めれば、デメリットではなくなると考えます。

(2)売却時

私が考える新築物件の最大のメリットは、売却時期を長いスパンで検討できることです。

15年保有していた場合でも、築15年です。
充分に売却できる築年数ではないでしょうか。

売却価格は、地価(市場価格)に大きく左右されます。
景気が良ければ、地価は上がる傾向にあり、景気が悪くなれば、地価は下がる傾向にあります。

売却しようと思ったときに、たまたま好景気であればよいですが、不景気が長く続く状況であれば、売却しようにも売却できないことになってしまうのです。

売却の検討期間を長くとれるということは、いい時期を見て売却できるということになるので、売却して損が出にくいと言えるのです。

3.中古物件のメリット、デメリット

(1)保有期間中

中古物件は、利回りが高いことがメリットです。
購入してすぐにキャッシュフローが貯まるのは大きな魅力です。

しかし、修繕費などの支出が突発的にあることを覚悟しなければなりません。

中古物件を購入してすぐに雨漏りが発覚して、修繕費がかかったという話はよく聞きます。
RCマンションであれば、修繕費は高くなる傾向にあります。

私もお恥ずかしながら、購入したRCマンションで、購入して2ヵ月後に店舗用のエアコン(埋め込み式のエアコン)が壊れたとのことで200万円の支出を強いられました。

いかに安く購入しても、大きな修繕費が出てしまっては意味がありません。

中古物件を購入するときには、大規模修繕をいつしたか、設備をいつ交換したか、など調べられることを徹底的に調べて、購入後の支出を予測しておくべきです。

中古物件のメリットを最大に享受するためには、将来の支出の予測が不可欠なのです。

(2)売却時

中古物件の売却は、新築物件の逆です。
売却時期を長いスパンで検討できないことがデメリットです。

例えば、築25年で購入した場合、10年経つと築35年になります。

築35年の物件を売りに出して、購入する人がいるかどうかになるのです。
これは融資が大きくかかわってきます。

購入者はたいてい金融機関から融資を受けます。
融資を受ける場合の融資期間は、最大で「法定耐用年数-経過年数」の年数になります。

木造なら22年、鉄骨造なら鉄骨の厚みによって19年、27年、34年。
RCなら47年。

木造で築35年なら、融資期間がとれず融資されることが難しくなります
まったく融資を受けられないということはないですが、一部の銀行やノンバンクに限定されてしまいます。

RCで築35年なら、融資期間は最大で12年です。
12年では月々の返済が苦しく、融資で購入するには現実的ではありません

現金購入される方、頭金を相当額入れられる方でないと購入できないのです。
購入者が限定されるということは、マーケットの価格としては下がる傾向にあります。

そうならないためには、築年数が購入者にとって融資が受けられる年数のうちに売却しなければならないのです。
売却の検討期間が短ければ、景気を見ながらなど、悠長なことを言っていられません。
売り急いで、損をしてしまうリスクもあるのです。

3.まとめ

メリット・デメリットを踏まえて私が出す結論は、初心者であれば新築物件をおすすめします。

中古物件は儲かる可能性ありますが、将来の支出を予測できるほどの物件の目利きができないと難しいです。
まずは新築物件で賃貸経営を学び、物件の目利きがある程度できてから中古物件にいくのがよいのではないでしょうか。

不動産投資で儲けたいという気持ちはわかりますが、いかに損をしないということを考えるかが生き残る術だと考えます。

画像提供:ピクスタ

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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