コラム

都心?地方?不動産投資はどちらがねらい目?

行政書士棚田 健大郎
都心?地方?不動産投資はどちらがねらい目?

不動産投資をするのは、都心と地方のどちらがいいのか、ということは昔からよく議論されています。

「地方」では物件価格も安く利回りも高いのが魅力ですが、一方で空室リスクが高く、
「都心」では賃貸需要が旺盛で空室も少なく将来の値上がりも期待できますが、投資物件の価格が高く利回りが低くなります。

どちらもメリットとデメリットがあります。

そこで今回は、不動産投資における「都心」と「地方」の特徴について解説します。

「都心」での不動産投資のメリット

都心での不動産投資のメリット

都心で不動産投資をするメリットは、何よりもその「資産性」の高さにあります。

都心なので地価が高く、銀行の評価も高くなり、銀行融資を利用しやすくなること。
「家賃収入」と「優良な資産の確保」が得られること。

それが何よりも都心での不動産投資のメリットだと言えるでしょう。

1.「都心」では相続税対策ができる!節税効果が高いのは現金より不動産

一億円の現金より一億円の投資物件の方が相続税は低い

相続税は、現金より不動産のほうが節税効果が大きくなります。

例えば一億円の現金と一億円のマンションとでは、一億円のマンションのほうが多くの控除があるため、相続税評価が低くなります。

また、建物がない更地よりも建物がある土地のほうが、相続税を抑えることができます。

更地に建物が建つことで、土地の相続税評価が下がり、さらにローンを利用することでマイナス資産が発生するためです。

平成27年から相続税の基礎控除額が減少、それによって都心で土地を所有しているだけで相続税の支払い義務が発生している個人は相当増えていると言われます。

都心に土地を持っているなら、アパートなどを建てることで不動産投資と相続税対策ができるので、良い土地活用ができるでしょう。

2.すでに「都心」に土地を所有しているなら、高い利回りが期待できる

都心に土地を所有するなら高い利回りが期待できる

すでに都心に土地を所有していれば、不動産投資を始めるのに必要なのは建築費用だけです。

建築費用は都心でも地方でもほとんど変わりませんので、「都心」で建てるほうが、資産性や空室リスクの低さから有利になります。

都心の不動産投資に向いている人
都心での不動産投資が向いている人

資産があり相続対策などにより現金を不動産に変えておく必要がある人、
ある程度の収入があり、銀行融資を利用しやすいサラリーマンの方。
そのような方は首都圏などの不動産投資に向いていると言えるでしょう。

「都心」の投資物件で注意すべきポイント

都心での不動産投資 注意点

都心では一棟アパートやマンション、一戸建てを土地から購入すると一億円は軽く超えてしまい、それをすべてローンに頼って投資を始めることはかなりのハイリスクを伴います。

そのため、「都心」で不動産投資をする場合は、できるかぎり区分マンションなどの手頃な価格のものをおすすめします。

すでに土地を所有しているか、自己資金が相当準備できているのでもなければ、都心での不動産投資は考え直したほうがいいでしょう。

(ただしオーナーの属性や資産背景などにもよります)

「地方」の不動産投資のメリット

地方都市での不動産投資のメリット

「地方」の不動産投資は何よりも収益物件の利回りが高いこと。

そして利回りが高いことによる一番のメリットは、キャッシュフローに余裕が出てくることです。

余裕があれば、入居率が多少落ちたとしても慌てることなく、十分に家賃収入でローン返済を賄えます。

例えば、満室で毎月100万円の家賃収入を生み出す収益物件で、毎月のローンが60万円であった場合、単純計算で入居率60%あればローンは返済できることになります。

キャッシュフローの余裕がなぜ大事なのでしょうか。

そればローン以外にも、固定資産税やリフォーム修繕費用など、定期的に発生する費用があるため、お金が残っていないと不動産事業を維持すること自体が難しくなってきてしまうからなのです。

「地方」の投資物件で注意すべき5つのポイント

地方都市での不動産投資 注意点

地方の不動産投資は、利回りが高いという大きなメリットがありますが、その反面、「空室リスク」と「修繕リスク」が内在していることを念頭において検討する必要があるでしょう。

1.賃貸需要のある立地、物件を選ぶこと

地方都市は、賃貸需要のある立地、物件を選ばないと失敗する

資物件の利回りがどんなに高くても、賃貸需要がなければ家賃収入を生み出すことができません。

人口密度の高い都心ではさほど心配することはありませんが、地方物件の場合は、とにかく賃貸需要のある立地をしっかり見定めること。
これが何よりも重要です。

これを誤れば、不動産投資事業そのものが成り立たなくなります。

2.経年とともに発生する修繕費に要注意

空室が出ることでコストが上がる

築年数が経過すれば修繕費もかかります。

建物全体にゆがみがあれば地盤沈下で傾いたり、雨漏り、木造の白アリ被害もあります。

キャッシュフローを良くしておき、修繕費などの費用の余裕分をもった運営が必要です。

3.「地方」の新築物件は空室に注意

空室はコストがかかるので要注意

「地方」で新築アパートを購入した場合、空室が出てくると深刻な事態になる可能性があります。

不動産投資には空室は必ず起ります。その際に次の入居者募集のために室内の原状回復リフォームをしなければなりません。

そうすると、空室で家賃収入がなくなるうえに、原状回復リフォーム資金が必要になるため、一時的に収入は減り支出が増えます。

賃貸需要が少ない地方で次の入居者を早く決めるためには、大幅に家賃を下げたり、入学時期までの家賃免除などの特典をつけるなど、入居者サービスが必要になる場合もあります。

一般的に家賃は新築時が最も高く、経年や入居者の入れ替えごとに下がります

「地方」の新築不動産投資の家賃収入の目安は、数年で新築時の80%、10年以降は60%ほどに下がることを想定しておかなければなりません。

「地方」の中古物件を購入する際には、
当初予定していた家賃が半額になっても破綻しないようにシミュレーションをしっかりたてて検討する必要があることを覚えておきましょう。

また、「地方」の中古物件には空室が多くなりがちです。

空室対策に「リフォーム」や「募集条件の緩和」などありますが、その際には大家としてしっかりとした対応が求められます。

何もしなくても家賃が入るような不労所得を期待していると、入居率はそう簡単には上がらないでしょう。

地方の不動産投資は、あえて空室リスクをとりつつも、それを創意工夫しながら利益を上げていくような事業家意識が必要なのです。

4.「地方」の新築物件の「家賃保証」には大きな家賃下落のリスク

「地方」の新築物件の「家賃保証」には大きな家賃下落のリスク

一般的に、「家賃保証」にはおよそ2年ごとに家賃の見直しがあります。

それによって家賃が大きく下がる可能性があり、そうなると当初予定していた家賃が入らなくなります。

アパートのハウスメーカーに建築してもらう場合、「家賃保証」付きの場合も少なくありません。

ハウスメーカーは保証家賃が下がらない前提でシミュレーションを立ててきますので、家賃を保証する契約書があっても決して安心してはいけません。

家賃保証は空室対策のひとつで、すべて悪いということでは決してありませんが、万能ではないということをよく覚えておきましょう。

5.「地方」の中古物件はローン条件がよくない場合がある

「地方」の中古物件はローン条件がよくない場合も

地方の中古物件は、土地値が安いため、銀行の評価が低くなりがちで、そうなると返済期間も短く、金利は高くなります。

そのため、よほど収益性が高い物件でなければ、キャッシュフローをプラスにしていくことは難しいでしょう。

都心、地方都市、それぞれ狙い目の地域はどこか?

「都心」の狙い目の地域

狙い目の都心の地域

東京都内の不動産投資で狙い目なのは、都心三区と言われている「千代田区、中央区、港区」およびこれに「新宿区、渋谷区」を加えた都心五区です。

これらの地域については、土地の値段が高いため基本的には区分マンション投資がおすすめです。

おすすめする最大の理由は、賃貸需要が潤沢であることはもちろんですが、今後売却する際にも利益が望める可能性があるからです。

都心五区の物件は、外国の投資家からも注目されているため、売買価格が高騰する可能性があります。

現在でもすでに値上がりしていますが、今後さらに値上がりする可能性もあり得るため、価格は高いものの、おすすめの地域であると言えます。

「地方都市」の狙い目の地域

都市開発中の地方都市

地方で不動産投資をするのであれば、今後の都市計画を十分に確認する必要があります。

というのも、地方の人口は今後どんどん減っていく事がほぼ確定しているため、それに合わせて地方都市のあり方も変わっていくからです。

具体的には、商業や医療など生活に欠かせないインフラを一定の地域に集約するまちづくりが始まっています。

そのため、今後地方で不動産投資をするのであれば、上記のような都市計画を確認したうえで、今後開発されていく場所に投資をすることが重要です。

都市計画については、市区町村役場の都市計画課などで確認することができますので、購入したい物件が見つかった場合は、事前に確認することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

リスクを取ってリターンを求めるのであれば「地方」、リスクを抑えてリターンも抑えられるのであれば「都心」です。

ですが、まずはその前に、自分が不動産投資でどの程度のリターンを求めるのか、よく考えることです。

地方の物件は高利回りである一方でリスクが高く、損失の可能性もあることを理解しておきましょう。

損失を許容することは難しいですが、地方の中古なら、上手くいけば数年で当初の資金は回収することができます。

反対にリターンがわずかであっても、リスクを避けていくのであれば都心の物件がいいでしょう。

購入後10年以内に売却しても手数料でマイナスになる可能性はありますが、景気状況などで値上がりを期待できるのが、都心の不動産投資です。

このような視点で考えていけば、

「都心」か、「地方」か。どちらどちらが自分に向いているのか?

その選択には自ずと答えが出てくるでしょう。

棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー。大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。