賃貸管理のプロ直伝 失敗しない管理会社の選び方
シリーズ“賃貸管理のプロに聞くクレームの話”。第1弾ではよくある入居者クレーム、第2弾では驚き・想定外の入居者クレームについて教えていただきました。
賃貸管理のプロが教える入居者クレームと対応
賃貸管理のプロもびっくり!想定外の入居者クレーム
こうしたさまざまなクレームに対応していくためにはやはり管理会社を使うという選択をするオーナーさんが多いと思いますが、管理会社はどう選べばいいのでしょうか。
失敗しない管理会社の選び方についてお話を伺いました。
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誰にとってもベストな管理会社は存在しない
―失敗しない管理会社の選び方について教えてください。
「それは一概には言えないですね。全員にとっていい管理会社は絶対ないと思います」
新築?中古?「どうやって不動産経営をしていくか」で決める
「管理料が高くてフルサービスという会社もあれば、当然その逆、管理料は安く、サービスは少ないという会社もあります。自分と自分の物件に合った管理会社を選ぶことが重要です。
そのためにはオーナーがどういう風に不動産経営をしていきたいかという考えを明確にし、オーナーの目的をわかってくれる担当者がいる会社を選んだほうがいいですね」
新築物件の場合
「例えば、新築など競争力が強い物件を持っているオーナーは、入居付けより管理料の安さを求めるかもしれない。
その場合は管理の内容の手厚さより、管理料の安い会社、管理料を安い会社がベストかもしれません」
中古・全空室の物件の場合
「反対に中古の全空室の物件を購入したオーナーは、多少管理料が高かったとしても、空室を一気に埋めてくれる会社を求めるのではないでしょうか」
中古・満室の物件の場合
「今度は中古の満室の物件を買ったオーナーの場合。全室埋まっているのであれば、入居付けは苦労しない。
何が大変になるかというと、管理です。
古い物件はもちろん、やはり中古だと入居者対応が大変になるので、入居者対応の強い会社を選ぶと良いでしょう」
担当者1人当たりの管理戸数のヒアリング
―管理会社の担当者の担当管理戸数も目安になると聞きましたが。
「そうですね。1人当たりの担当戸数をヒアリングするのも手だと思います。その際はその管理体制が『物件担当制』なのか、『業務担当制』なのかを確認したほうがいいです。
『物件担当制』は入居付けからクレーム対応、原状回復、リフォーム工事の手配まで、1棟の物件で発生するすべての業務を1人の担当者が担当します。
『業務担当制』は入居付け、対入居者対応、リフォームなど、業務ごとに役割分担をして管理する体制です。
150~200戸/人を担当していたら効率よくやっていると思うので、それを目安にしてみてもいいかもしれないですね」
不動産は“人”が重要
「同じような会社はたくさんあるように見えるかと思います。
しかし、不動産は人です。
結局自分が任せる会社の窓口になる人が、自分の考え方をちゃんと理解している、『この人だったら任せられる』と思える人を見つけられるのが一番いいんじゃないかと思いますね」
管理会社に任せるか自主管理か…費用対効果を考えよう
―もしオーナーさんが自主管理をしている場合、当然オーナーさんご自身でさまざまなクレーム対応をしていかなければなりませんよね。
想定外のトラブルの対応などは本当に大変だと思います。自主管理の限界はどこになるのでしょうか?
「ほとんどの管理会社が24時間対応の窓口を設けているので、入居者もそれに慣れているため、24時間窓口がないとなると、入居付けに影響が出る場合もあります。
夜間に限らず、設備不良等のクレームについては、管理会社の場合、応酬話法があり一時対応できますが、自主管理の場合それがどこまで可能かなのということをよく考えたほうがいいです。
また、電気がつかなかったらこういう対応が必要だとか、設備に関する知識も必要になります。
自主管理を選択する理由は費用的なものが大半だと思いますが、費用対効果をちゃんと考えたほうがいいです。
家賃6万だったら、3%の場合、1戸あたり1800円。10戸の場合、18000円。30日で割ると1日600円。
この金額を払わないために、自主管理する価値はあるのか?
その辺をよく考えてみてください」
家主に直接クレームを言う入居者は意外に少ない?
―費用対効果を考えると、自主管理という選択はされにくいのではないですか?
「なかには、うまく自主管理をされている方もいらっしゃいます。
実は、入居者から家主に直接言わないといけないときほど、あまり厳しく言わない傾向があるようです。
家主<管理会社<コールセンターの順に、クレームのキツさが増すという話もあります。
コールセンターや管理会社など、オーナーと入居者の間に入る人が増えれば、それだけ伝わらないことも増え、問題解決がしづらくなるということもあります。
そういうことを含めて、自分に合った管理方法を考えられるといいですね」
―ありがとうございました。
管理をどうしていくかについては、ご自身の所有の戸数や特色等を踏まえたうえで、費用対効果を考えて決めたほうがよさそうですね。
手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?
- 第1回:賃貸管理のプロが教える入居者クレームと対応
- 第2回:賃貸管理のプロもびっくり!想定外の入居者クレーム
第3回:賃貸管理のプロ直伝 失敗しない管理会社の選び方