社会保険130万円の壁の撤廃。青色事業専従者でも適用される?
社会保険の扶養の範囲であった年130万円を超えても大丈夫になったと聞きました。
これはいつから適用になるのでしょうか?
私は賃貸経営をやっていますが、そこから妻へ扶養の範囲で青色事業専従者給与を出しています。
青色事業専従者でもこの規定は適用になるのでしょうか?
社会保険の扶養となる要件である年間収入130万円未満(60歳以上及び障害年金受給要件該当者は180万円未満)によって、人手不足のなかで労働時間が制限されてしまうことが社会問題になっています。
これを解消するために、「一時的な収入変動である旨の事業主の証明」を提出することにより、年間収入の要件を超えても、原則として連続2回(年間)まで引き続き扶養者認定が可能となる制度(事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)」ができました。
この制度は、令和5年10月20日以降の被扶養者認定及び被扶養者の収入確認において適用されます。
一時的な収入増加の要因がある場合に認められることになります。
(例)
他の従業員が退職したことにより、業務量が増加したケース
業務の受注が好調だったことにより、全体の業務量が増加したケース
突発的な大口案件により、全体の業務量が増加したケース
一方で、基本給が上がった場合や、恒常的な手当が新設された場合など、今後も引き続き収入が増えることが確実な場合においては、一時的な収入増加とは認められません。
青色事業専従者についても、一時的に業務量が増加したことによる要因があれば、認められる可能性があります。
ただし、賃貸経営において一時的に業務量が増加するケースはあまり多くないと思います。
手続きとしては、健康保険組合等の保険者が被扶養者の資格確認を行う際に、「一時的な収入変動である旨の事業主の証明」を提出することになります。
勤務先の会社に提出することになるため、事業主が自分であること、賃貸経営をやっていることなどがわかってしまうことになる可能性がありますのでご注意ください。
2024/01/26
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士