売買の登録免許税を売り主負担にして、譲渡費用にできる?
法人化をするため、個人から法人へ売却する場合、登録免許税を売り主である個人が負担することとして、個人の譲渡所得の譲渡費用に計上することは可能でしょうか?
売買契約書などで、登録免許税の負担を売り主として個人が費用負担することで、個人の譲渡所得の譲渡費用とすることは可能です。
登記を受ける者は、登録免許税を納める義務があります(登免税法3)。
この場合、通説では、「登記を受ける者」とは、売買による不動産の所有権移転登記のように共同申請により行われる場合には、登記権利者と登記義務者の双方が登録免許税を納付する義務があると解されています。
当事者の契約によって登録免許税の負担を定めた場合には、その定めるところにより、取引上慣習があればそれに従うこととしています。
そして、不動産を売買した場合、売買を原因とする所有権移転登記が行われることから、所有権移転登記の費用は資産の譲渡及び取得に際し直接生ずる費用であると考えられます。
したがって、売買契約書によって売り主が負担すると合意された場合、登録免許税の全額が、客観的に見て資産の譲渡を実現するために必要な費用であると考え、譲渡所得の譲渡費用に該当するものと考えられます。
2020/09/09
東京圏人口一極集中さらに加速…不動産投資は、立地で決まる。解説本無料プレゼント
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士