不動産投資コラム

物件購入の基本のステップ「買付」とは

2019/09/13
行政書士棚田 健大郎
物件購入の基本のステップ「買付」とは

今回は物件購入のステップのひとつ、「買付」について取り上げます。

売主に物件購入する意思を伝える「買付」。
複数人から買付が入るような人気物件を手にいれるためには、買付証明書をどのように書けばよいのでしょうか。また、書き方次第で結果が変わる可能性はあるのでしょうか。

ここでは、買付証明書の記載事項や欲しい物件を手に入れるための書き方、出し方のコツについて、前半・後半2回に分けて解説します。

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買付・買付証明書とは

買付証明書とは、物件を購入することを売主に伝えるために発行する書面のことで、賃貸でいうところの入居申込書と同じような位置づけの書類です。

簡単に言えば、売主に対して、
「この物件が気に入ったので買いたいです」と伝えることが買付で、書面化したものが買付証明書です。

不動産売買において必ず出さなければならないというわけではありませんが、通常は売買契約に先立って売主の仲介業者に対して提出するのが一般的です。
売主は買付証明書の内容を確認したうえで、契約に進むかどうかを判断します。

買付証明書の法的な位置づけについて

買付証明書は「私が物件を買います」という証明書という意味で発行しますが、それによって法的に拘束されるわけではありません

売買契約については、原則として売主と買主の意思が合致して成立となりますが、買付証明書の提出については、法的にいうと買主の「意思表示」とはみなされないとされています。

実際に、買付申込書を提出した後にキャンセルができるかどうかでもめた事例がありますが、法的には買付申込書だけでは売買契約は成立せず、拘束されることもないとのことです。

よって、一度買付申込書を提出した後でも法的にキャンセルはできますが、売主や仲介業者に迷惑がかかるため、購入の意思が固まった状態で提出するのが最低限のマナーといえます。

買付申込が重なった場合の優先順位

買付申込が重なった場合の優先順位

高利回りの物件については、短期間に買付申込が重なってバッティングすることも少なくありません。

このようなケースの場合、建前としては買付申込書を提出した先着順とされていますが、現実問題としては、売主が買付申込書の内容を比較して買主を選ぶことになります。

そのため、買付申込書は単にスピード勝負で早く出せばよいというものではなく、売主が契約したくなるような書き方で提出することの方が重要なのです。

買付証明書に記載する内容

買付証明書自体には、決まった書式はありませんが、一般的に次のような事項について記載します。

不動産に関する情報

  • 物件名
  • 所在地
  • 構造
  • 部屋番号
  • 専有面積

買付条件に関する情報

  • 売買金額
  • 支払い条件
  • その他の契約条件

上記のうち、欲しい物件を手に入れるためには「買付条件に関する情報」について書き方のポイントやコツを覚えることが大切です。

後半 では、その詳しい内容、さらに、金額以外の部分で気を付けるべきポイントや、指値を通すためのコツについて具体的に解説いたします。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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