売却の際、買主から「マイナンバー」を教えるよう通知が…どういうこと?
最近不動産会社にマンションを買い取ってもらったのですが、先日その会社から私のマイナンバーを記載して書類を返送するよう通知が来ました。
買主にマイナンバーを開示する必要はあるのでしょうか?
また、そもそもなぜ不動産会社が私のマイナンバーを聞いてくるのでしょうか?
法人や不動産業者が買主の場合は、税務署に提出する書類にマイナンバーの記載が必要になるためです。
不動産の引き渡しが終わってすっきりしたと思ったところに買主からマイナンバーの開示を求める通知が来ると、ちょっとドキッとすることと思いますが、これにはきちんとした理由があります。
不動産会社などの法人や個人の不動産業者などに不動産を売却した場合、買主は税務署に提出する「不動産支払調書」に売主のマイナンバーを記載する必要があるからです。
不動産売買などの大きな取引の売主には高額な所得が発生する可能性があるため、税務署がそういった所得の動きを把握する目的等でマイナンバーの記載を求めています。
マイナンバーの提出は義務?
マイナンバーの提出については強制ではなくあくまで任意なので、拒否したとしても罰則などはありません。
ただ、上記のように正当な理由があって開示を求めているので、基本的には開示したほうがよいでしょう。
マイナンバーの提出が必要になるケース
マイナンバーの提出は必ず必要なわけではなく「売主が個人、買主が法人又は個人の不動産業者」の場合です。
よって、以下のようなケースではマイナンバーの提出は不要ですので万が一提出を求められた場合は注意しましょう。
売主個人:買主個人
売主法人:買主個人
売主法人:買主法人
マイナンバーを提出しないことのデメリット
マイナンバーの提出が受けられなかった買主は、税務署に対して開示を受けられなかった経緯や拒否された理由などについて説明する必要があります。
そうなると、普通に考えて税務署の売主に対する印象が悪くなるのは当然でしょう。
そもそもマイナンバーの提出は、所得隠しなどの脱税、税金逃れなどを防止するために行っていることなので、それを拒否するということは自ら「私は税務申告についてグレーです」と言っているようなものなのです。
提出しないことで税務署にマークされるくらいなら、納得して提出したほうがよいでしょう。
マイナンバーの不正取得に注意
買主がマイナンバーの開示を求めることには正当な理由がありますが、なかにはこういった事情を悪用してマイナンバーを搾取する詐欺グループもあるようなので注意が必要です。
そのため、買主からマイナンバーの開示請求があったら、一度買主に連絡をして本当に買主から通知が来ているのか確認したほうがよいでしょう。
2020/01/29
人口動向・賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは?無料解説書籍はこちら
回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー