台風が来ると通気口から雨水が…必要な対策は?
私の投資している区分マンションが、台風19号の直撃を受けました。
幸い大きな被害はなかったのですが、入居者から室内に開いている通気口から雨水が侵入してきて壁紙が濡れてしまったと連絡がありました。
聞くところによると、今回に限らず台風のような横風が強い雨の日は通気口から水が侵入してくるそうです。
このような場合、大家としてどのような対策が必要でしょうか?
通気口の外部に雨よけのカバーをかけると効果的ですが、区分マンションの場合は組合との協議が必要です。
室内の壁には外気を取り込んで循環させるための「通気口」が付いています。
2003年の法改正によって、現在の住宅には24時間常に換気ができる「24時間換気システム」の導入が義務付けられており、通気口はそのシステムの一部を担っているのです。
ワンルームの場合、居室に設置されている通気口から外気を取り込み、浴室やキッチンの換気扇を通って外に排出されます。
そのため、今回の相談事例のように雨水が侵入してくるからとはいえ、通気口自体を塞ぐことはできないため、通気口の外側に雨除け用のフードカバーを設置することが有効です。
ただし、マンションによってはフードカバーを設置するにあたって高所作業が必要になるため、それなりの費用がかかる可能性があります。
区分マンションは管理組合の管轄
一棟アパートなどを所有している場合は大家個人の判断で設置工事を発注できますが、区分マンションの場合は専有部分ではなくマンション全体の管理が及ぶ共用部分の範囲となるため、個人が勝手に工事を発注できません。
まずは管理会社経由で管理組合に状況を報告し、理事会の承認が下りた時点でようやく工事が発注になるため設置までに時間がかかったり、そもそも承認が下りなかったりという可能性もあるでしょう。
こういった事例では1部屋だけ施工をするのではなく、その1部屋をきっかけにマンション全戸一斉に取り付けをする可能性も出てくるため、それなりの予算が必要になり結論が出るまでに時間がかかる傾向にあります。
通気口周りは雨漏りの原因になりやすい
通気口からの雨水の侵入は、放置していると雨漏りの原因となる可能性があるため注意が必要です。
通気口内部に雨水が侵入すると、わずかな隙間から壁の中に雨水が染み込んでしまい、室内の床や階下の天井から水が染み出してくる可能性があります。
また、通気口の取り付け部分のシーリングが劣化していると、大雨や台風の際に建物内に雨水が侵入してしまうため、現地で見積もりを取る際に業者に確認してもらった方がよいでしょう。
2020/01/21
東京圏人口一極集中さらに加速…不動産投資は、立地で決まる。解説本無料プレゼント
回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー