賃貸の窓ガラスに入った亀裂は誰の負担で直す?
入居者からベランダの窓ガラスに亀裂が入っていて危険なので交換してほしいとの連絡がありました。
確かにそのままでは危ないので交換しようと考えていますが、正直なところ入居者がものをぶつけたのではないかと疑っています。
このような場合、窓ガラスの交換費用は誰の負担になるのでしょうか?
窓ガラスの亀裂の原因が「熱割れ」なら大家「ぶつけた場合」は入居者の負担となるのが一般的です。
窓ガラスに亀裂が入った場合、考えられる原因は「熱割れ」か「物理的衝撃」のいずれかです。
熱割れの特徴
熱割れとは、ガラスの温度差によって亀裂が入る状態をいいます。
ベランダの窓ガラスは、日が当たっている部分が熱で膨張しますが、日が当たっていない部分については膨張しません。
この温度差が続くと、膨張しようとする部分とそうではない部分でガラスに亀裂が生じてしまうのです。
熱割れはガラスの強度が低い「網入りガラス」に生じやすいと言われており、賃貸物件のベランダにも多く使用されています。
物理的衝撃との見分け方
入居者が窓ガラスにものをぶつけてしまった場合、ぶつかった部分を中心に「蜘蛛の巣状の亀裂」が入ります。
また、ぶつけた部分については指で触れると欠けていることが殆どです。
一方で、熱割れについては物理的な衝撃は加わっていないため、亀裂は生じていても表面は無傷です。
また、ガラスに対して横や縦に亀裂が線のように入るだけで、蜘蛛の巣状の亀裂は入りません。
物理的衝撃が原因の場合
大家としては賃借人に対して請求することができますので、窓ガラスに亀裂が入っている旨の報告を受けた場合は、入居者にスマホで窓ガラスを撮影して送ってもらうことをおすすめします。
熱割れが原因の場合
入居者が加入している火災保険の内容によっては保険金がおりる場合がありますので、一度保険会社に連絡をとってみるとよいでしょう。
2020/01/05
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回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー