不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

入居者の部屋に空き巣が。大家に損害賠償責任はあるの?

先日、保有している物件に空き巣が入り、入居者の家財の一部が盗難の被害に遭うという事件が発生しました。

具体的には、玄関のカギをピッキングで開けて侵入したそうです。

そんななか、入居者から建物の防犯管理が不十分だったとして、損害賠償請求するといわれました。

盗難などやむを得ない状況でも、オーナーは損害賠償しなければならないのでしょうか?

原則として賠償責任はありませんが、事情があれば、賠償責任を負う可能性があります。

保有している賃貸物件が空き巣被害に遭うことは、決して珍しいことではありません。

被害者からすると、盗みに入った犯人に対する損害賠償はもちろんですが、同時に賃貸物件を管理する立場にあるオーナーに対しても、損害賠償請求をしてくるケースがあります。

基本的に盗難などの被害については、オーナー側に防ぎようがないことが多いので、損害賠償する義務はありません。

ただし、オーナーの管理義務の範囲については、過去のさまざまな判例で議論されており、オーナーに責任が全くないとは言い切れず、個別の契約内容によっては負う場合があるとともに、信義則上の付随義務として認められるとも言われています。

では、具体的にどのような場合に損害賠償義務を負うのでしょうか。

設備の故障や不具合を放置しておくと責任を問われる場合がある

空き巣被害が発生した際に、被害者から管理責任を追及されやすいのが、設備関係の故障です。

例えば、オートロックが故障したまま放置していたり、窓の鍵が壊れているのにすぐに直さなかったりした場合に、オーナー側の過失となる可能性があるため、一定の賠償義務が生じる可能性があります。

設備そのものに不具合がなければ、一般的な賃貸物件でオーナーが空き巣の管理責任を問われることはあまりないでしょう。

2019/12/23

東京圏人口一極集中さらに加速…不動産投資は、立地で決まる。解説本無料プレゼント

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

記事一覧