不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

両親が亡くなり、アパート経営の借金が発覚したが相続するべき?

アパート経営をしていた両親が亡くなりました。調べたところ借金も発覚したので相続するか迷っています。
なにかいい方法はありますか?

プラスの財産の範囲で相続する限定承認という選択肢もあります。

相続が発生した際に相続財産が債務超過だった場合は、相続放棄することで借金の相続を回避できます。
ただ、プラスの財産も相続できなくなってしまうので、今回のケースではアパートも手放すことになってしまう点に注意が必要です。

まずは、相続財産を入念に調査することが大切ですが、心配な場合は限定承認という選択肢があります。
限定承認とはプラスの財産とマイナスの財産を相殺して、あまった場合にだけ相続するというやり方です。

今回のケースで限定承認をすると、アパートは売却して現金化されマイナスの財産の支払いなどに充当されます。
どうしてもアパートだけは手放したくないという場合は、鑑定評価をとるなど所定の手続きをとれば、相続人が優先的に買い取るということも可能です。

アパートの評価額が低く、借金が高額な場合などに有効な手段となります。

限定承認は全員で選択する

相続放棄は各相続人が個別に選択することが可能ですが、限定承認は相続人全員でなければすることができない点に注意が必要です。
誰か1人でも単純承認(通常の相続)を選択した場合は、限定承認ができなくなります。

また、限定承認は清算手続きに時間と手間と費用がかかるので、選択する際には慎重に検討することをおすすめします。

2020/11/06

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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