不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

駐車場を売却して不動産を購入する場合、事業用の買い替え特例は適用できる?

今年、駐車場を売却する予定です。
利益がかなり出るため、事業用の買い替え特例を適用したいと考えています。

事業用の買い替え特例は駐車場の売却でも適用できますか?

その駐車場が売却資産に該当すれば、適応されます。

事業用の買い替え資産の特例とは、売却により利益がでる場合に買い替えにより取得した物件の価額の最大80%利益を圧縮(課税の繰り延べ)することができる制度です。

売却資産としての駐車場

事業に供している土地建物である必要があります。

事業には、社会通念上事業と称するに至らない程度の不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものをいいます。
したがって、5棟10室以上などの事業的規模でなくても適用できます。

しかし、相当の対価であるかどうかは、その貸付資産の減価償却費、固定資産税その他の必要経費を回収した後において、なお相当の利益を得ているかどうかにより判定するとされているため、経常的に赤字になっている物件には適用できないことになります。

そして、特別の施設を設けないで駐車場等として利用されている土地を含む空閑地は、事業用資産として除かれています(租通37-21)。

売却する駐車場が、アスファルトなどの施設がない青空駐車場である場合には適用できません。

買換資産としての駐車場

買換え特例としてよく利用される「10年超所有の事業用資産の買換え特例」について平成24年度税制改正により要件が厳しくなりました。

買換資産に該当する場合の土地は、面積が300㎡以上のもので、事務所、工場、作業場、研究所、営業所、店舗、倉庫、住宅その他これらに類する施設の敷地の用に供されるものでなければなりません。

駐車場については、上記の施設と併設されて事業上必要とされるもの、又は、開発許可申請中だけ駐車場にしているなどのやむを得ない場合に買替資産としての対象とされています。

なお、買替資産の土地については、譲渡した土地の面積の5倍以内という要件もありますので、ご注意ください。

2019/02/15

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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