エアコンをまとめ買いしたら、一括で経費にできますか?
エアコンの値段が今後さらに高騰するとのことで、まとめて購入しようか考えています。
ただし、実際の取り付け予定は未定です。
この場合、数台分をまとめて一括で経費に落とすことはできますか?
倉庫への保管だけでは経費化不可。実際に設置した(事業に使った)年の金額基準に応じて、経費や資産に振り分けられます。
取り付け前のまとめ買いは経費計上できません。「貯蔵品」として資産計上が必要です。
1.なぜ経費にできないのか
税務上、減価償却資産を費用化できるのは「事業の用に供した日」からです。
これは「実際に使い始めた日」のことで、購入日ではありません。
エアコンを倉庫に保管しているだけの状態では、まだ事業に使われていないため購入金額をその年の経費にすることはできません。
2.購入時の処理 ― 「貯蔵品」として資産計上
購入しただけで取り付けていないエアコンは、貯蔵品という資産の科目で計上します。
(借) 貯蔵品 ××× / (貸) 現金預金 ×××
なお、棚卸資産(商品)は販売目的で保有する資産を指すため、自社で使うエアコンを保管している場合は棚卸資産ではなく貯蔵品が正しい区分です。
3.取り付け後の処理 ― 金額により分岐
入居者の部屋に設置するなど、実際に事業の用に供したタイミングで貯蔵品から振り替えて費用化します。
1台あたりの取得価額で取り扱いが変わります。
・10万円未満:全額その年の経費(消耗品費等)
・20万円未満:一括償却資産(3年均等償却)
・40万円未満(※):少額減価償却資産の特例(青色申告者のみ・年300万円まで)による全額経費
・40万円以上:通常の減価償却(耐用年数6年)
(※)令和8年度税制改正によって、30万円未満から40万円未満に金額が引き上げられました。
少額減価償却資産の特例も、適用できるのは事業供用した事業年度です。
購入年度に取り付けが間に合わなければ、適用は翌年度以降にずれ込みます。
4.まとめ
購入年度に経費化できないため、節税目的のまとめ買いは効果が出ません。
値上げ回避のメリットがあるかで判断してください。
なお、経費にしたい場合は、取り付け予定をできるだけ前倒しすることを検討しましょう。
2026/07/17
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士