譲渡所得の取得費には、原状回復工事費用、固定資産税、管理費も入れてよい?
今回初めてアパートを売却するにあたって、譲渡所得税についてお尋ねします。
今回売却するアパートは、6年間所有していました。
譲渡所得の取得費の計算では、購入時の価格、諸経費の他に、6年間にかかった原状回復工事費用や、固定資産税、管理会社の費用等も計上して良いのでしょうか?
維持管理費や税金は「取得費」に含まれません。不動産所得で経費計上したものの二重計上は厳禁です。
個人が不動産を売却した場合には、不動産に係る譲渡所得として課税されます。
不動産に係る譲渡所得は、分離課税といって、他の所得(不動産所得や給与所得など)とは分けて個別に計算をします。
譲渡所得の計算は、下記の算式で算出していきます。
取得費は、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料などですが、建物の取得費は、購入代金又は建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。
設備費や改良費は取得費に含まれます(減価償却費相当額を差し引いた後の金額)が、通常の原状回復費用、固定資産税、管理会社の管理費は取得費になりません。
そもそも、譲渡所得とは、「値上がり益」に課税するというものです。
取得費とは、売却金額に貢献する原価です。
購入金額や購入手数料(←こちらも購入金額に含めて資産計上するもの)や設備費、改良費など資産として計上されるものが対象です。
原状回復費用、固定資産税、管理費は、資産を構成するものではありません。
また、賃貸アパートであれば、これらは、すでに経費に計上しているものです。
不動産所得ですでに経費計上した金額を、重ねて譲渡所得の取得費に算入することはできません。
したがって、賃貸アパートの売却の場合には、取得費は簿価(未償却残高)と一致することになるのが原則です。
なお、自宅の売却など不動産所得の経費にしていない場合には、購入時の登録免許税や不動産取得税、印紙税は取得費に含まれます。
ただし、減価償却は自宅であっても減価していると考えて、控除しなければなりません。
2026/04/10
東京に仕事を求めてやってくる単身者増加中…不動産投資は、立地で決まる
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士