90歳代。相続税を抑えて平等に相続するいい方法ある?
90歳代の父が賃貸マンションを所有しています。
配偶者はいません。
息子3人いて、概算の相続税で1人1千万程度納税が発生します。
相続人の1人はマンションに入居していてマンション残したいそうですが、他の2人は売却を希望しているそうです
相続税を抑えて、3人に平等に相続するいい方法はありませんか?
例えば、法人化して株式を少しずつ生前贈与して相続税を抑えて、相続人の1人にアパートを残す案はどうでしょうか?
90歳代とのことで、相続税対策はかなり難しいと考えます。
むしろ争わないようにどう分けるかを考えていく方がよいです。
というのも手元の現金を使ってしまうと、納税資金に使えなくなり、上手く分けられなくなることになってしまうためです。
(分割が決まっていれば、分割割合に応じて生前贈与していくのは有効かと思います)
相続税を考えると、賃貸マンションはそのまま相続することによって、小規模宅地の減額(賃貸用の場合、200㎡まで50%減額)が適用できるなど、不動産のまま相続する方がよいことがあります。
なお、お父様が90歳ということなので、現時点の法人化はすすめません。
法人化は不動産を時価で売却することが前提になります。
法人化を相続税の観点から見ると、相続税評価の低い不動産を、評価の高い現金等(貸付金を含む)に変えることになります。
法人化した瞬間だけをとらえると、相続税が上がってしまうのです。
相続までに一定の時間があれば、上がった相続税を減らす対策が取れるのですが、その期間が短ければ、相続税が高いまま相続を迎えることになります。
ですから、株式を贈与するにしても、相当な時間がかかると思われます。
令和6年以降の生前贈与は、相続から7年前までの贈与が相続税の課税対象になりました。
年齢からしても現実的ではないかと思います。
基本的には、法人化は、個人に家賃収入が貯まらなくなるという点で、長期の相続税対策になります。
相続までの期間が長ければ長くなるほど、相続税の節税になります。
1人がマンションを残したい。2人が売却したい。
ということであれば、次の方法がよいのではないかと考えます。
3人で相続した後に、法人で借り入れをして、法人に売却。
〈パターン2〉
残したい相続人1人に相続させ、法人で借り入れをして、法人に売却。売却金額を他の2人に代償金で払う。
完全に平等に相続させるならパターン1。平等でなくてもよいのであればパターン2でもよいかと思います。
2024/04/12
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士