不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

法人で融資受けられず個人で車を購入。社用車として法人の経費にできる?

法人で賃貸経営をしています。

社用車を購入しようと、銀行に融資の相談をしたところ、会社での融資はできないが、個人の名義であれば融資が可能と言われました。

借入が個人で、返済も個人口座になります。

この場合でも、車の購入費やガソリン代などの維持費を法人の経費に計上することは可能でしょうか?

原則は、法人名義にしないと、法人の経費にすることはできません。

しかし、法人名義にできない、やむを得ない事情があれば、個人名義であったとしても、経費にすることは可能です。

税法では、「実質課税の原則」というものがあります。

《所得税法12条 抜粋》
「資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であつて、その収益を享受せず、その者以外の者がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する者に帰属する」

名義だけで判断するのではなく、実質的な所有者に帰属するということです。

ですから、個人名義の口座から返済が引きとされていても、法人がその分の金額を個人に送金し、法人が実質的に負担するとともに、法人で借り入れができなかったため仕方なくそのようになっている旨を説明できれば、法人の経費にすることは可能です。

手続きとしては、個人で借り入れることになった経緯、仕方なく個人口座での引き落としになった理由などを記載した取締役会議事録や社員総会議事録を残しておくことになります。

2024/01/12

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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