不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

インボイスを受け取ったらどこまで確認が必要?

インボイス制度が始まってから、インボイスをもらうことになりましたがどこまで確認が必要なのでしょうか?

インボイス番号が登録されているのかインボイスの必要事項が記載されているのか、全てチェックしないといけないのでしょうか?

インボイスは、必要事項が記載されていないとインボイスとは認められません。
インボイスの保存がないと消費税の仕入税額控除ができません。

原則は、インボイスの番号が登録されているものかを国税庁の検索サイトで確認をし、その他必要事項の記載があるかを確認する必要があります。

しかし、それを1つ1つのインボイスに対して行うことは、事務負担が膨大になってしまいます。

インボイスの登録番号が正しいか

必要事項が記載されているか

の2つの視点で検証してみたいと思います。

インボイス登録番号が正しいか

国税庁のHPでは、

「インボイスの適正性(番号が有効かどうか)については、事業者においてご確認いただく必要があります。
全ての取引の都度、確認が必要となるものではなく取引先の規模や関係性、取引の継続性などを踏まえ、事業者においてその頻度等をご判断いただくこととなります。」

と記載しています。
さらに、具体例として次の確認方法を例示しています。

《具体例》

  • 新規取引先との取引 ⇒ 確認する
  • 継続的に取引がある企業との取引⇒都度の確認はしない
  • ※ 登録を受けた場合、自ら届け出等しない限り有効であり、取消しも課税期間(原則1年)単位でしかできないため、これらも踏まえてご検討ください

    必要事項が記載されているか

    令和5年9月12日報道に国税庁長官のコメントが掲載されています。
    要約すると次の通りです。

  • 軽微な記載のミスを確認するための調査はこれまでしてきていない
  • 記載事項(の不備)をあげつらうような調査はしない
  • 記載の漏れがあったときに、(別の方法で)きちんと確認できれば申告漏れだと指摘する
    ことはない
  • まとめ

    国税庁長官のコメント通り、形式的な不備程度では修正を求めないようですので、あまり神経質にチェックする必要はないと考えます。

    税務調査で問題となるのは次の2点かと思います。

  • 金額の大きな経費の支払い先がインボイス登録しているか
  • 明らかに免税事業者にもかかわらず仕入税額控除をしていないか
  • この点を踏まえて、インボイス登録事業者からの請求であること、怪しいものは検索サイトで確認する程度でよいのではないかと考えます。

    2023/12/15

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    渡邊 浩滋

    税理士・司法書士

    渡邊 浩滋

    税理士・司法書士

    経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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