不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

コインパーキング事業者に土地を賃貸。インボイスが必要な場合ある?

コインパーキング事業者に土地を貸しています。
消費税がかからないからインボイスが必要ないと思っていました。
しかし、コインパーキング会社から振り込まれる賃料には消費税が含まれて払われています。
インボイスが必要となるのでしょうか?

消費税は非課税となり、インボイスは必要ないことになります。

土地の貸主が、駐車場用地として一括して貸し付けている場合で、自らは建築物駐車場や機械式駐車設備を設置しておらず、かつ、貸し付けた相手方自身は駐車せずに第三者に駐車させているようなケースは、駐車場業ではなく、土地の貸付けとして判断します。

したがって、消費税は非課税となり、インボイスは必要ないことになります。

しかし、コインパーキング事業者に貸し付ける時点で駐車場としての機能を有していた場合には結論が異なります。

以下の裁判事例や裁決事例があります。

平成24年11月29日大阪高裁判決

「貸付けの時点において駐車場設備としての実質を有していたことを認めることができるのであるから、本件貸付けを更地の貸付けと同視することは相当でない」

平成23年3月28日裁決事例

「無人時間貸駐車場として利用されることを認識しながら、土地上の駐車場として利用可能なアスファルト舗装等の減価償却資産(構築物)が存するまま貸与する旨合意し、実際に貸与したものであるから、本件各契約に基づく賃貸借は、いずれも単なる「土地の貸付け」ではなく、駐車場としての機能を備えた施設の利用に伴って土地が使用される場合に該当するものと認めるのが相当である。」

としています。

まとめると
コインパーキング事業者に土地を賃貸する時点でアスファルト敷などの駐車場の設備がない状態 ⇒ 土地の貸付として非課税(インボイス不要)

アスファルト敷などの駐車場の設備があった状態 ⇒ 駐車場の貸付として課税取引(インボイス必要)
となります。

今回のケースですと、コインパーキング事業者からインボイスの発行を求められる可能性があります。

2023/11/03

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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