不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

電子帳簿保存法の改正で、領収書はすべてスキャン保存が必要?

これまで、不動産賃貸業の領収書・レシートは紙で整理し保管していました。
法改正でこれらについて電子データで保存すると言う情報をネットで見ます。
実際、私の様な個人事業で零細の大家も領収書・レシートをスキャンして保存する事が必要なのでしょうか?
その場合、期日はいつからなのでしょうか?
また、紙媒体で保存していた場合罰則等は有りますか?

電子帳簿保存法の改正によって電子データで受け取った請求書や領収書は「電子のまま」保存が義務付けられます。

紙で受け取った領収書やレシートは紙で保存して問題ありません。

この改正の趣旨は、昨今のネットの取引が主流となることでPDFなど電子での請求書や領収書のやり取りが多くなってきました。

PDFを出力して紙で保存することを認めると簡単に改ざんされる可能性があり、また、改ざんされたデータか判別がつきにくくなるため、保存方法のルールを定めたということです。

これは業種問わず個人も法人にも強制適用されるものになります。
2022年1月からスタートの予定でしたが、国民への周知が徹底されていないこともあり令和4年税制改正で、2年間の猶予期間が設けられました。
よって、2024年1月から本格的にスタートになります。

違反した場合ですが、
保存方法などに違反していても直接の罰則は今のところありません。
しかし、データを改ざんしたような場合には重加算税が10%上乗せされる罰則はあります。

また、保存方法に違反していたからといって直ちに青色申告の承認が取り消されたりすることはありません。
しかし、今後このルールが浸透していくことで違反の罰則が厳しくなる可能性があるかもしれません。
まずは2024年に向けて準備してください。

2022/12/09

人口動向・賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは?無料解説書籍はこちら

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

記事一覧