不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

非常勤役員である配偶者を専従者にして給与の支給は可能?

小生の確定申告は、年金収入・個人農業(青色)・及び個人不動産賃貸業(土地の賃貸・青色)の決算書を提出しております。
妻は、小生代表法人会社(不動産賃貸業)の非常勤役員として、報酬月額5万円を得ておりますが、個人農業及び個人不動産業の専従者給与を支給することはできるでしょうか?

可能であれば、各専従給与を5万円位を考えております。

専従者給与を支給する要件のひとつに、「その年を通じて6月を超える期間(従事可能期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること」があります。

専従とは、「その仕事だけにもっぱら従事すること」ですので、基本的には、他に仕事をしていると要件を満たさないことになります。
しかし、一切他の仕事をしてはいけないかと言うと、そうではありません。

平成26年の東京地裁の判決事例
『他に職業を有する者」である期間は原則、事業専従期間に含まれないとしつつ、それらの者のうち「その職業に従事する期間が短い者その他当該事業に専ら従事することが妨げられないと認められる者」を例外的に除いている(所令165②二)ことに触れ、この例外に該当するかどうかは他の職業に従事する期間が短く、その事業に専ら従事することが妨げられないことが一見して明らかであるかどうか、実質的にその事業に専ら従事することが妨げられないと認められるかどうかによって判断する』としています。

つまり、他の仕事に従事する時間が短いなど、専従者の仕事に支障がない程度であることが明らかであれば認められます。

支障がないかどうかは、事実認定になってくるため、専従者給与を支給するにしても、どのくらいの時間仕事をしていたのか、他の仕事に従事する時間はどのくらいだったのか、記録をきちんとつけておいて、税務署にいつでも説明ができる状態にしておく必要があります。

2022/09/09

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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