不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

法人で土地購入。賃貸建物建築中に決算が到来しても経費計上できる?

法人を設立して、融資を受けて土地を購入しました。
現在、建物を建築中ですが、まだ完成していません。

建築中に法人の決算が到来してしまいます。

まだ建物が完成していない状況で賃料収入も入ってきませんが、経費を計上することは可能なのでしょうか?

法人が建物建築中にかかった費用とその処理方法についてまとめてみます。

(1)会社設立費用
会社を設立するための登録免許税、司法書士報酬などは、創立費として繰延資産に計上し、任意の時期に償却することができます。

(2)土地購入のための登録免許税、不動産取得税
土地を購入したときの登録免許税、不動産取得税は、資産計上(土地)か経費計上かを選択することができます。
なお、個人の場合には資産計上の選択肢はなく、経費に計上しなければなりません。

(3)支払利息
土地を融資を受けて購入しているため、利息が発生していると思います。
この利息は経費に計上しなければなりません。
なお、個人の場合、これから(初めて)賃貸経営をするため土地を購入した際の借入利息については、賃貸開始までの期間中は資産計上(土地)しなければなりません。

(4)従業員の給料、家賃、電気ガス水道料などの経常的な経費
経常費的な性格を有する費用は開業費に該当せず、経費計上しなければなりません。

(5)開業のために特別にかかった費用
広告宣伝費、接待費、旅費、調査費などの経費のうち、次の要件を満たすものは開業費になります。

①事業に関する費用であって、かつ、支出の効果が1年以上に及ぶもの
②資産の取得に要した費用もしくは、前払費用でないこと
③開業準備のために特別に支出した費用であること

開業費は、創立費と同様に繰延資産として資産計上され、任意の時期に償却することができます。

2022/03/25

東京に仕事を求めてやってくる単身者増加中…不動産投資は、立地で決まる

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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