不動産投資コラム

公務員が副業で不動産投資をする際の注意点

公務員が副業で不動産投資をする際の注意点

ここまでは、サラリーマンにとっての副業解禁や副業としての不動産投資について触れてきました。

最後となる今回は、「公務員」が副業として不動産投資をする場合の注意点について解説していきたいと思います。

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公務員はサラリーマンと違う!?

サラリーマンについては、勤務している会社の「就業規則」に応じて副業できるかどうかが決まるため、「モデル就業規則」の改訂による副業解禁の恩恵を受けられる可能性がありますが、公務員については状況がちょっと違います。

公務員の場合は、国家公務員法地方公務員法人事院規則などによって働き方が決められているため、今回の副業解禁について直接的な影響はありません

公務員は原則副業が禁止

公務員副業禁止
サラリーマンについては、モデル就業規則の改訂によって、原則として副業を許可する社会的流れになってきていますが、公務員については職務の性質上、副業については原則として禁止されています。

そもそも公務員については、憲法第15条2項によって「公務員はすべて国全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない」と規定されているため、他の民間企業に就職して奉仕するといった行為はできず、国全体のために奉仕する職務を負っているのです。

仮に、公務員の副業を解禁とすると、公務員としての仕事で得た情報が副業を通じて外部に漏れ出る恐れがあります。市役所の担当者が副業でテレアポの仕事をしているとしたら、個人情報漏洩を心配しますよね。

また、公務員には「公務員としての信用を失墜させる行為」が禁止されているため、たとえ情報漏えいの心配がなかったとしても、公務員が風俗などで働くこと自体、国家公務員法によって禁止されているのです。

国家公務員は副業で不動産投資ができるのか

国家公務員の副業については、国家公務員法で次のように規定されています。

職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
国家公務員法 第103条
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
国家公務員法 第104条

このように、国家公務員による副業を原則禁止としながらも、「内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する」とあることから、例外的に許可を受ければできることもあるようです。

では、国家公務員でも不動産投資を副業としてすることは可能なのでしょうか・

国家公務員でも不動産投資は可能!その条件とは?

国家公務員の副業については、「人事院規則14-8」において詳細が規定されています。
その中で、不動産投資に関連して抜粋すると、次の要件に該当しなければ、国家公務員でも許可なく不動産投資をすることが可能です。

要件
1.不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合

  • 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上、独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
  • 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。
  • 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。
  • 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。
  • 2.駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合

  • 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場であること。
  • 駐車台数が10台以上であること。
  • 3.不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行っている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合

    4.1又は2に掲げる不動産等の賃貸と同様の事情にあると認められる場合

    よって、国家公務員がアパートやマンション投資をする場合については、

  • 5棟10室未満
  • 年間の家賃収入が500万円未満
  • 上記条件をクリアできれば、特別な許可を受けることなく不動産投資をすることができるのです。

    例えば、都内でワンルーム投資をする場合であれば、家賃8万円以下の物件を5棟まで所有する場合については、国家公務員でも許可なく不動産投資ができることになります。

    アパート投資の場合は、1棟8室だと仮定すると1室あたり家賃5万円くらいの設定になるため、国家公務員が都内で不動産投資をするのであれば、1棟ものよりも1室ごとに投資ができる区分マンションの方がおすすめです。

    地方公務員は副業で不動産投資ができるか

    国家公務員については、国家公務員法によって副業について規定されていますが、地方公務員の場合は下記「地方公務員法」によって規定されています。

    職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

    2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。
    地方公務員法 第38条

    このように、国家公務員と同様に原則として副業については禁止です。

    国家公務員の場合は、人事院規則で基準が確認できますが、地方公務員の場合は在籍している地方自治体が規定している規則に従って判断することになるため、同じ地方公務員でも自治体によって、不動産投資が許可される規模が違ってきます。

    おおむね、国家公務員の人事院規則に準じているケースが多いですが、若干異なる自治体もあるようですので、地方公務員で不動産投資をする場合は、あらかじめ確認したほうがよいでしょう。

    公務員が不動産投資をする際はココに注意

    公務員不動産投資注意
    規則をきちんと守れば、公務員についても問題なく不動産投資をすることができます。
    ただし、許可が必要な規模の不動産投資を許可なく行ったような場合については、「懲戒処分」を受けることになるため、十分注意しなければなりません。

    資産を増やすために不動産投資をしているのに、職を失ってしまっては元も子もありません。たとえ、相続で親の不動産を相続して不動産投資が拡大したような場合でも、必ず許可を申請するよう徹底しましょう。

    家族名義や法人名義ならセーフな場合も

    公務員の不動産投資の規模が一定以上になると、許可を受ける必要がありますが、名義を家族や法人名義とすることで、許可なく規模を拡大することも可能です。

    例えば、妻名義で不動産を購入した場合については、公務員である夫の件数にはカウントされませんし、妻を社長にして法人を設立し、法人名義で物件を購入する場合も同じく問題ありません

    ただし、妻の所得が増えると家庭全体の所得税や住民税にも影響が出るため、あらかじめ税金を試算したうえで、どうするのか判断することをおすすめします。

    まとめ

    今回は全3回にわたって、「副業解禁」をテーマに、サラリーマンや公務員にとっての不動産投資の魅力について迫ってきました。

    不動産投資は他の副業とは違い、拘束時間が短く、また特殊なスキルも不要で、さらに銀行から融資を受けやすいという非常に大きなメリットがあります。

    ご自身の勤務先の就業規則が「副業解禁」になる日は近いかもしれません。
    その際には、ぜひ不動産投資を副業として考えてみてはいかがでしょうか。

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    棚田 健大郎
    棚田 健大郎

    棚田 健大郎

    行政書士

    棚田 健大郎

    行政書士

    大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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