遺産分割で揉めた場合、5年経過すると相続税が戻せなくなる?
昨年、母の相続がありました。
相続人である子どもたちで遺産を分けるのですが、揉めてしまい、遺産分割ができていません。
相続税の申告期限が10ヵ月以内なので、法定相続分で相続したものとして「相続税の申告をしましょう」と税理士から言われて、申告して納税までしました。
遺産分割が決まれば、相続税の申告を再計算すると税理士は言っています。
今後、遺産分割協議がまとまった場合、もし税金を払い過ぎていたときは、戻ってくるのでしょうか?
5年を過ぎると戻せなくなると聞いたのですが、本当でしょうか?
後発的理由などにより更正の請求を行う場合には、5年を過ぎていても税金を取り戻すことが可能です。
払いすぎた税金を取り戻す手続きを、更正の請求と言います。
更正の請求は、申告期限から5年と決められています。
5年を過ぎると基本的には税金を取り戻すことができなくなります。
しかし、後発的理由などにより更正の請求を行う場合には、それらの事実が生じた日の翌日から4ヵ月以内に手続きをすればよいという規定があります。
つまり、5年を過ぎても税金を取り戻すことが可能です。
後発的理由とは、遺留分請求によって財産に変動が生じることや、新たに遺言書が発見されたなどがあります。
遺産分割がまとまったことも後発的理由に該当します。
したがって、遺産分割が成立しことにより相続税が払いすぎになっていれば、5年を過ぎていても更正の請求が可能になります。
2021/09/20
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士