不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

赤字の会社でも配当を出すことができる?

法人で賃貸経営をしています。
私の本業のサラリーマンの関係で役員になれません。
私は株主になって、家族に役員になってもらっています。

私が会社からお金をもらうためには、役員報酬ではなく、配当でもらうしかないかと思います。

配当を出すためには、利益がでていないとダメなのでしょうか?
赤字では配当は出せないのでしょうか?

赤字でも配当が出せる場合があります。

下記の算式にしたがって配当できる金額を算出していきます。

配当可能額(※1)=(その他利益剰余金+その他資本剰余金)×10/11(※2)

※1
その会社に、自己株式、のれん、繰延資産、その他有価証券評価差額金、土地再評価差額金、分配時まで期中剰余金増減取引がない場合に限った算式です。
※2
利益準備金等が資本金の1/4まで達していない場合(詳細は後述)

となっています。

その他利益剰余金とは、ざっくりと言うと過去の利益の累積額です。

過去の利益の積み上げがあれば、今期が赤字であっても配当することは可能です。

ただし、配当するための要件があります。

◯純資産額が300万円未満の場合は、配当はできない。
配当を行うことで、純資産が300万円未満となるような配当をすることもできない。

◯配当をした場合、配当額の1/10の金額を利益準備金として積立が必要。
(資本金の1/4に達するまで)

赤字でも配当できる可能性はありますが、債務超過になっている場合には配当はできませんのでご注意ください。

2021/07/30

東京に仕事を求めてやってくる単身者増加中…不動産投資は、立地で決まる

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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