不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

減価償却が残り3年…築古物件の購入で対策可能?

個人で賃貸経営をしています。
あと3年で減価償却がなくなってしまい、デッドクロスになります。

そこで、もう一棟、減価償却のとれる築古のアパートを購入することを検討しています。
購入時期は、減価償却がきれる少し前ぐらいがよいでしょうか?

購入することでデッドクロスから抜け出すことは可能ですが、根本的な解決をしない限り、延命措置に過ぎないと考えます。

デッドクロスとは、年間の減価償却額と年間の元本返済額を比べて、元本返済額の方が大きくなる時期をいいます。

減価償却がなくなってしまうことで、デッドクロスとなることが多いのです。

その対策として、減価償却費が大きく取れる築古の物件を購入することを検討しているものかと思います。

購入時期のタイミングについては、減価償却がなくなる年で構わないかと思います。
年の途中で購入した場合の減価償却費は、月割りになる点にご注意ください。

しかし、そもそも築古の物件を購入する対策は、延命措置に過ぎないと私は考えています。

つまり、追加購入した築古物件の減価償却が終わったら、またデッドクロスになり、さらに家賃収入も増えていることから、税金が急増する可能性があるからです。

減価償却が取れるうちに、法人化・売却・個人の収入を減らす(サラリーマンを引退するなど)の根本的な解決をしないと、延々とデッドクロスの呪縛から逃れられません。

追加購入した築古物件の減価償却がなくなった後をイメージしてから購入されたほうがよいと思います。

2020/06/30

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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