博多駅500m以内で20棟ビル建替え、福岡市が再開発計画
福岡市は5月29日、博多駅から半径約500メートル以内のエリアで、更新期を迎えた老朽化したビルの建替え促す、官民連携によるにぎわいの創出を目的とした再開発プランを発表しました。
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1.博多コネクティッドの概要
博多駅の周辺エリアでは、賑わいと活⼒を周辺につなげていくプロジェクト、「博多コネクティッド」が進められています。
そのプロジェクトの⼀環として、更新期を迎えた老朽化したビルの建替えを促すための、新たなインセンティブ制度「博多コネクティッドボーナス」を創設するとのことです。
これにより、10年間で老朽化したビル20棟の建替えを⽬標に、耐震性の⾼い先進的なビルが集まる街になるという施策になっています。
2.「博多コネクティッドボーナス」とは
新たなインセンティブ制度「博多コネクティッドボーナス」のインセンティブの内容は下記です。
容積率緩和制度(都⼼部機能更新誘導⽅策)の拡⼤
- つながり・広がりが⽣まれる広場の創出など、賑わいの拡⼤に寄与するビルに対し容積率を最⼤50%
- 賑わいや回遊をさらに⽣み出す観点から、屋根のある広場等でも公開空地評価を最⼤2.5倍
認定ビルへのテナント優先紹介
⾏政による認定ビルのPR
また、さらなるインセンティブの追加として、博多コネクティッド専⽤のボーナス融資商品を、地域の金融機関と一緒に用意していきたいとしています。
3.その他の優遇制度
上記のインセンティブに加えて、税制の優遇や交付金も予定しています。
- 税制優遇、交付⾦制度
- 特定都市再⽣緊急整備地域(国の⽀援制度の活⽤)
- 市⺠緑地認定制度(⺠間での緑地空間の創出による税制優遇)
- 地⽅拠点強化税制(福岡市へ本社機能を移転・拡充した場合の税制優遇)
- ⽴地交付⾦
その他、公共空間の活用や、航空法高さ制限の特例承認なども予定しているとのことです。
4.賑わい創出に向けた官⺠連携による取組み
福岡市は、市による周辺基盤の再整備にあわせて、博多まちづくり推進協議会による賑わい創出活動を実施していくことで、官⺠が連携して賑わいの創出を推進するとしています。
筑紫⼝の新たな取り組み
・筑紫⼝駅前広場の再整備の検討【官】
・筑紫⼝エリアの賑わい創出活動の充実【⺠】
はかた駅前通りの再整備
・⾃転⾞通⾏空間の確保や歩道の拡幅による、快適で魅⼒あふれる歩⾏者空間の創出【官】
・イベントや低層部への賑わい施設の誘導、花・みどりの維持管理などによる賑わいづくり【⺠】
5.建替えによる経済波及効果
福岡アジア都市研究所が算出した、10年間で20棟を建替えた場合の経済波及効果は、下記のように試算されています。
・延床面積:約1.5 倍 341,000㎡ → 498,000㎡(+157,000㎡)
・雇用者数:約1.6 倍 32,000人 → 51,000人(+19,000人)
・10 年間の建設投資効果:約2,600億円
・建替え完了後の経済活動波及効果(純増):約5,000億円/年
ひとつの都市としてとても大きな経済波及効果です。
ますます注目が集まる、福岡・博多
2011年の九州新幹線開業以降、2022年に開業を予定している、地下鉄七隈線の天神南駅から博多駅までのおよそ1.4キロを延伸する地下鉄七隈線延伸事業など、交通網の開発も並行して進んでいます。
博多駅周辺の老朽化した建物の建て替えを促し、あわせて賑わいも創出する今回の博多コネクティッドの取り組み。
国内、国外からも人気の九州の陸の玄関口・博多は、今後も発展しつづけていく魅力的な都市であり、投資先としても注目です。
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