株価下落で年初来安値、レオパレス21の業績に懸念
施工物件の界壁工事の不備などの発表が続くも、「業績への影響は軽微」とレオパレス21は5月29日にリリースしましたが、株価は10日連続で下落し、6月4日は686円、6月6日も672円、6月12日には663円と年初来安値を更新しています。
年初来高値1023円は2018年3月期の決算発表を行った5月11日、そこから約1か月未満で株価が約3割下がる事態となっています。
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アパート界壁不備の補修工事費用は?
レオパレス21は特定行政庁とも協議の上、補修工事を来年2019年10月までに完了予定としており、東京商工リサーチの取材に対して、「標準的なレイアウトの2階建て10部屋の場合、界壁が4枚必要で、補修に総額60万円かかる」と答えています。
しかし、テレビ東京「ガイアの夜明け」ではレオパレス21のアパート界壁問題について「補修費用は天井部のみで1000万円の見積もり」と放映し、補修工事の費用が大きく乖離しています。
当社の独自取材でも、都内のアパートの建築を請け負っている一級建築士は「界壁の追加工事は容易ではなく、とても1日で終わるような工事工程ではない」と話しており、不備があるアパートの棟数次第ではレオパレス21の業績に大きく影響を与えると思われます。
アパートオーナーが被害者の会設立へ
これらの問題をうけ、全国のレオパレス21のオーナーらが立ち上げた「LPオーナー会」は、6月中に被害者の会を設立することを、6月1日に名古屋市で行われた記者会見で発表しました。
同会の代表は「少しでも不安があれば、抱え込まずに相談してほしい」と話し、建築士や弁護士らが全国のレオパレスのアパート所有者からの相談にアドバイスをするとのことです。
レオパレス21グループ下請先は4173社
帝国データバンクはレオパレス21の下請企業実態に関する調査をおこない、「レオパレス21グループの下請企業の合計は全国で4173社」と発表しました。
これらの一次下請先、二次下請先の総従業員数は18万6354人となり、レオパレス21グループの大きさが伺えます。
レオパレス21の業績はこれらの下請け企業にも大きく影響を及ぼす可能性があります。
今後のレオパレス21の業績について
レオパレス21が5月11日に公表した2018年3月期の決算発表によると、当期純利益は148億円(前期比27.4%減)、2019年3月期は150億円となっています。
3万7853棟ある全アパートの調査結果のうち、不備があるアパートは何棟になるのか。
界壁の追加工事は1棟60万円なのか。
レオパレス21について、引き続きレポートしていきます。
東京商工リサーチ記事
帝国データバンク
参考:テレビ東京「ガイアの夜明け」
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* 本記事は6月5日の初稿を6月6日に追記しました。
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