着工数 貸家10ヵ月連続減少も住宅新設は増加傾向
国土交通省は令和元年6月時点の建築着工統計を公開しました。
統計を見ると、投資目的の賃貸物件は前年同月比で減少していますが、住宅系の着工数は総合的に増加傾向にあるようです。
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貸家の前年同月比は下降、実需は上向きが続く/建築着工数
貸家(賃貸物件)…前年同月比では10ヵ月連続の減少
・前年同月比12.2%減、季節調整値の前月比では4.5%増
貸家は12.2%減で、10ヵ月連続前年同月比減少となりました。
下のグラフは、建築物の利用種別に季節調整済み年率換算値※をグラフ化したものです。
賃貸物件(赤色の貸家)の季節調整値は今年1月あたりから下降し、春頃からは上昇しています。
※季節調整値…季節的な要因で毎年同じような動きをする季節変動の影響を除いたもの。原数値とは異なる。
持ち家…前年同月比では9ヵ月連続の増加
・前年同月比12.9%増、季節調整値の前月比では2.6%増
持家の変動率は平成26年頃から大きな動きではありませんが、平成30年頃より少しずつ上昇し、前年同月比は今回で9ヵ月連続の増加となっています。また、季節調整値も堅調な推移が続いています。
分譲住宅…前年同月比では3ヵ月ぶりの増加
・分譲マンション/前年同月比では3ヵ月ぶりの増加、前年同月比4.2%増
・分譲一戸建住宅/前年同月比では先月の減少から再びの増加、前年同月比10.0%増
ここ1年の着工数を、分譲マンション、分譲戸建て(前年同月比)で比べてみました。
分譲マンションの前年比は1年前の平成30年6月に36.2%減であったところから上昇を続け、今年3月に69.5%増とピークに。その後4月から5月にかけては大きく減少、そして6月は4.2%増に回復と、新設住宅着工数は大きく変動しています。
その一方で、分譲住宅の一戸建てはこの1年最低で1.4%減、最高で12.2%増と、安定して推移しています。
区分マンション価格の上昇、未だ勢い止まらず
国土交通省は7月31日に令和元年4月の不動産価格指数を発表しましたが、住宅総合は前年同月比で53ヵ月連続で上昇しています。また、そのなかでも個人が所有する区分マンションはとくに大きな価格上昇が続いています。
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レインズ(公益財団法人 東日本不動産流通機構)が発表した月例速報によると、首都圏の中古マンションの㎡成約単価は、52.75万円/㎡で、前年比+1.6と、5ヵ月連続で前年同月を上回りました。また、前月比も1.8%上昇しています。
今年1月時点には73ヵ月ぶりに前年比で下落していた首都圏の中古マンション㎡成約単価ですが、2月以降は前年同月超えが続いています。
まとめ
実需向けマンションは着工、価格ともに上昇が続くなか、
賃貸物件の着工数は季節調整値は上昇したものの、前年同月比で10ヵ月連続の減少となりました。
不動産投資家は融資のハードルを越えて買える人と、買えない人の二極化がさらに進んでいるようです。
買える人にとってはライバルが少なくチャンスともいえるこの状況ですが、2020年以降、東京オリンピック・パラリンピックの終了後、この状況はどう変化していくのでしょうか。
引き続き注目していきます。
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